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イノセント・スマイル(7)
「成松くん、本当にもらっちゃっていいの?」
「ええ、お構いなく」
駄目もとでやったのだが、何故か俺はパーフェクトをとってしまい、景品でブローチをゲットしてしまったのだ。ゲットしたのはいいものの、男にプローチは不必要なので、先輩にあげることにしたのだ。
「使わない奴が持っているよりも、ずっとブローチも嬉しいでしょうから」
「うん、ありがとう」
さっきの場所に戻ると、亮太たちはすでにそこにいた。
「おう、悪かったな。待たせちまってよ」
「いや、いいさ。それより、ファイヤーマウンテン、そんなに混んでたのか? 人が並んでるようには見えなかったんだが……」
「あ、ああ。混んでたぜ、いやあ、大変だったよ、本当に、はは」
何かごまかしてるような感じがする。怪しいな。
「ん? そのブローチどうしたんだ?」
「ああ、的当てゲームの景品だよ」
「へえ、やるじゃねえか。お前は何をやらせてもすごいな」
「一応褒め言葉としてもらっとくよ」
「よし、じゃあそろったことだし、次のアトラクションに行きましょうか」
高宮先輩がそう切り出した。