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イノセント・スマイル(1)
「お、着いたぞ、ここだ」
「へぇー」
噂には聞いてたが、さすがにニューオープンの遊園地。規模は半端じゃなく大きかった。それに、すごく綺麗だった。客の心をくすぐる粋な構造だな、これは。珍しく建物の造りに感心した俺だった。
「先輩たちは……お、いたいた」
ひとかたまりになっている女の子の集団。その中に本村先輩、三人の先輩たちを確認することができた。その中に飛び込んでいくのは若干恥ずかしいが、致し方ないだろう。亮太も幸いいることだし、俺はそっちに向かう。
「おはようございます」
「あ、おはよう成松くん」
そう言って先輩はにこっと笑った。いつも伸ばしている髪を今日はリボンでヘアバンド状に結っており、いつもより大人っぽい印象を受けた。