イノセント(7)
「なになに? どうしたの?」
「みんなでデートする……そして、二人で一緒になる……で、告白……」
「へえー、なるほど」
「どういうことなの?」
「響が言うには、名目は団体デートってことなんだけど、うまくあなたたちを二人にしていい感じにさせて、告白するチャンスを作るって言うこと」
あの短いフレーズからここまで分かりやすく説明できるなんて……。二人はすごいなと改めて実感した。
「ふんふん、響の提案、悪くないわね」
「というより、むしろ良いわ。これなら成松くんの心を揺さぶれそう」
「やるじゃない、響」
「当たり前、綾音のため……」
「ふふ、そっか。聞いてた? 綾音?」
「ええ? う、うん」
「場所は……うん、そうね。遊園地にでもしましょう」
「ああ、最近オープンしたばっかりの?」
「ぴったり……」
「よし、じゃあ決定―」
「わかった?綾音。私たちが雰囲気を作るから、成松くんに告白するの。緊張するかもしれないけど、勇気を出して自分の想いを伝えなさい、いいわね?」
「う、うん、わかった」
三人がここまでしてくれたんだもの、私も勇気を出さなくちゃ。それに、自分のためにも……。
「今週の土曜日にでもしましょう。早いに越したことはないものね」
「ありがとう、みんな」
「いいのいいの、気にしなくて。綾音のためだもの」
「当たり前……」
えへへ、私っていい友達を持って幸せだな。よし、がんばろう。
「じゃあ土曜日、絶対成功させるわよ、えいえいおー!!」
「ただいま帰りましたー」