イノセント(3)
私は、自分の思っていることを三人に話した。
そして、考えること数分、三人は何故か笑みを浮かべた。そして……、
「綾音、あなた、成松君に恋してるのよ」
返ってきた答えは、かなり度肝を抜かれるものだった。
「こ、こ、こ、恋!?」
「そうよ、まあ当然かもしれないわね。成松くんルックス良いし、性格も良いものね。さすがに男が苦手の綾音でも惹かれるわよね」
「必然……」
「そ、それって本当なの?」
「なの? って、本当はあなたが一番分かってるはずのことよ? しょうがないって言えばしょうがないかもしれないけれど。今の今まで男の子とまるで会話したことなかったものね」
「ってことは、恋するのも初めてってことよね?」
「初恋……」
私が、成松くんのことを、好き? 確かにすごく頼りがいがあって優しいし、今まで数多の場面で彼には助けられてきた。でも、そんな風に考えたことはなかった。いや、分からなかった。見ての通り、私は昔からのトラウマで男の子には免疫がない。だから、恋というのはどういうことなのか皆目見当もつかなかった。だとすれば、もし早紀ちゃんたちが言った、私の胸が時折高鳴ったり、楽しそうにしているっていうことが本当であるなら、私は成松くんのことが好きなのかもしれない。
でも……。