112/247
日曜日のコンフューズ(15)
言い切ってしまうのはおかしいかもしれないが、嘘でもない。何故なら、先輩は男が苦手だ。苦手な人種に、そんな気持ちを抱くなんて毛頭有り得ないからだ。それに、先輩だって俺のことをそんな風には思ってないはずだ。だったら俺だって、そんな風には思っていけないはず。そうやって納得させていた。
――ん? ちょっと待て、俺は自分に質問していた。
今俺はどんな答えを出した? 先輩がそう思っていないから、俺も思ってはいけないと、そう思っていたのか? これってもしかして、亮太の言っていた通りなのか? 自分の考え方からすれば、俺はずっと先輩のことを意識していたことになる。
つじつまが徐々に合っていく。それと同時に、信じられないという思いが浮上してきた。
俺が、そんな風に先輩を考えていたなんて……完全に亮太の言う通りじゃないか。胸が高鳴るのは、先輩を気にかけているから、非の打ち所が無い。