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日曜日のコンフューズ(13)
「目を背けないで見つめ合ってみな。好きな人じゃないなら、見ていられるはずだぜ? もし背けたら、それは恋してるってことに違いない。その内試してみるといい、じゃあなー」
亮太は帰っていった。
それと入れ替わるように先輩がやってきた。
「お待たせー、あれ? 三山くんは?」
「ああ、今さっき帰りました」
「そっか、じゃあ、私たちも帰ろう」
「あ、はい」
その後も、俺は先輩を妙に意識したまま過ごしていたのだった。
その夜、俺はベッドに寝転び、見る気もないテレビをじーっと見つめながら、亮太の言ったことを考えていた。
俺が先輩を好きになった……か……。そんなことが有り得るのだろうか。理屈は確かに間違ってない。だが、恋なんてものは理屈では説明などできない。そんな心を抱くのなんて、もはや自分の心でしかないからだ。俺は一体どう思っているのだろう? 先輩のことを。確かに亮太の言っているようなことは時たま起こる。