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日曜日のコンフューズ(5)
もともと店自体が大きいことと、今日が日曜日だということが手伝って、店内はかなりごった返していた。この状況、先輩から目を離すわけにはいかないな。はぐれてしまう可能性が高い。故に、コンセントレーションをしなければ……。こんなことしなくても、手さえつなげばオーケーなのかもしれないが。俺たちはそんな関係じゃないからな。はあ、何故か溜め息が出た。何でだろう? 何故俺は悲しんでいるんだ? 俺は、先輩に対して何かの感情を抱いているんだろうか? いや、あるはずないな。あるわけないじゃないか。何の感情かは知らないが、そんなことは絶対にない。自分ではそんな気がしていた。じゃあ何故? 何故俺は今溜め息を吐いたんだ?
吐く理由なんてこれっぽっちもないはずなのに。だって、先輩は先輩だ。俺のことは後輩として見ている。そういう風な感情なんて抱いているはずがない。何故なら、先輩は男子が苦手だからだ。よって、俺のことだって、少しは警戒しているはずだ。
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