日曜日のコンフューズ(4)
三十分後、先輩は泣きやんだ。
「ごめんね、取り乱しちゃって」
「気にしないでくださいよ、あれが普通の反応ですから」
「うん……やっぱり男の人って、怖いんだね……」
「全員が全員そうってわけではないんですけどね。でも、そうかもしれません」
男が本気になったら、女性なんて絶対敵わないもんな。まあ日本が誇るプロレス界の女王とかだったら話は別だが……。
「でも、男子も、一応優しい生き物なんですよ」
「え?」
「信じられないかもしれないですけど、男って根は豊かなんです。それに、男子は女性を守るために生まれたって言われてますし」
「え? 本当に?」
「これはマジです。女の子ってか弱いからそれを体を張って守るために男子は生まれたって言われてるんです。まあ、今の時代、女性を襲ってしまう男子も増えてますけど……さっきのガキ共みたいに。ですけど、そんな奴ばっかりじゃないってことは事実です」
「……うん、そうだね」
先輩はうなずいてくれた。
「実際、成松くんは優しいもんね、助けてくれたし」
「当たり前ですよ」
「えへへ」
「よし、じゃあこの話題は終わり。先輩は何処へ行くんですか?」
「うん、ちょっと本を買いに行こうと思ってて」
と、偶然にも向かう先は同じなのか、だとすれば……。
「一緒に行きませんか?」
「え?」
「俺もちょうど本屋に行こうと思ってたんです。一人で行ってもつまらないし、それにさっきみたいなことが起こったら大変ですからね」
「……うん、じゃあお願いしようかな」
「はい、よろこんで」
というわけで、俺たち二人は一緒に本屋に行くことになった。