【第33話・再会してみようか その3】
「考えっ•••て、本当に大丈夫?」
自信ありげに笑うレーベンに小声で訊いた。すると、レーベンは『まぁ、見てな』 と、言うと、大声で向かいに呼び掛けた。
「おい、ホワイトにマッカイ!」
すると
「なンだよ。」
「何でやすか?」
二人が答えた、それに
「なぁ、お前等、さすがに死罪は嫌だよな?」
レーベンが返す。すると、すかさずマッカイが
「イヤでやす!痛いのとか、マジ勘弁でやす!」
情けない声を上げている。
・・・ってゆうか、黒いチャウチャウの雑種犬の方は、悪党に向いてないわね。デキの悪い兄貴に引きづられて、この道に入ったってところかしら?
そんな私の思いをよそに、レーベンは更に続けた。
「なら、今から俺が言う事を良く聞くんだ、わかったか?」
すると、威勢だけはいい兄貴分、ブル•テリアの獣人、ホワイトが、怒鳴った。
「俺らに指図すんじゃねぇ!」
しかし、そんなコケ脅しなど、レーベンに通用するわけもなく
「ほぉう、そんじゃお前、一生死罪を恐れてコソコソ生きる生活したい•••ってワケか。それならそれで構わねぇ。しかし、残念だなぁ、もしかしたら、死罪を免れることが出来る上に、無罪放免になるかもしれねぇ道を、教えてやろうと思ったのによ。まぁ、お前等の自由だから、俺は別に強制はしねぇがよ。」
そう、さらりと言うとホワイトが
「何だと!?その話、聞かせろ!」
慌てた様子で声を上げた。それにレーベンが返す。
「『聞かせろ』だぁ?お前、人に物を頼む態度ってのがあンだろ?はい、もう一回。何だって?」
何度か構っているうちに、小悪党二人の扱いに慣れたのか、あっさり主導権を握ってしまったようだ。
一方のホワイト、レーベンの言葉に、『グルルルル•••』と低く唸り、牙を見せ、精一杯の威嚇を見せるものの、無駄だと思ったのか
「ぜひ聞きたいです。お願いします。」
と、ほぼ棒読みだけど、そう言った。
虚勢をはってはいるが、やっぱり兄貴の方も、死罪は恐いんだな。
「わかりゃあいいんだ。それでだ•••」
と、レーベンが話を続けようとした、その時
「リステルちゃん、レーベン、ここどこぉ•••。」
私の後ろから、マリブの声がした。
振り向くと、いかにも子供の寝起きという感じで、眠たそうに、目をこすりながら、立ち上がっている。
「あ、マリブ、おはよ。」
そう声をかけるとす
「んー•••。」
盛られた眠り薬が、まだ残っているのか、まだうつらうつらしているマリブにレーベンが言った。
「おっ!?いいとこで起きたじゃねえか。丁度いい、マリブ、一つ頼まれてくれねぇか?」
「んー•••。何ぃ•••。」
「とりあえず、こっちはいいから、向かいの牢をブチ破ってくれねぇか?お前、確か壁抜け出来たよな?」
「出来るよー•••。簡単だよー•••。」
未だうつらうつらしたまま、レーベンの言葉に頷くと、みるみるうちに、鉄格子をすり抜け、ホワイトとマッカイの側に立っている。
すっかり忘れてたけど、マリブと会ったキッカケになる事件って、この子が貴族の家に無断で侵入した事で、騒ぎになったんだっけ。
普段は格好がちょっとアレな子供だから、そういった設定的なものはすっかり忘れてたわ。と、その時
【メキッ!メキメキメキ•••】
金属が軋む音と共に、マリブの目の前の鉄格子が『く』の字に曲がっている。
その、とんでもないパワーの源は、彼女の髪から変化した、一本の丸太だ。鉄格子の隙間に差し込んだ木を、だんだん太くしていったのだろう。
一見、無茶苦茶にも思えるけど、元の世界じゃ、『アスファルトに咲く花のように』って、見るもの全てに怯えない感じで、どこかの岡本さんも、歌ってたくらいだから、不思議ではないのか。
そんな私の思いとは違って、目の前の出来事に、ことのほかびっくりしているのは、悪党の二人組だった。
「おい•••コイツ•••何者だ?」
「世の中は広いでやすね•••。」
口々に呟き、半分放心状態の二人に、レーベンは言った。
「おい、お前等、ボサっとしてる場合じゃねぇぞ!これからお前等には、重要な任務があるんだ。ちなみに言っとくが、失敗したり、逃げ出した場合、お前等、間違いなく•••。」
そこまで言うと、彼は黙った。いきなりのことと、彼の雰囲気に飲まれ、固唾を飲む、二人組。
少しして、ホワイトが口を開いた。
「しくじったらどうだってンだよ!」
すると、レーベンが言った。
「死ぬぞ。」
つづく
‐ここから後書き的なものです‐
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ありがとうございます。
ミクシィと違って、ちゃんとした数字で見えるので、やりがいがあります。
これからも皆様に楽しんでいただけるよう、物語をうpしていきたいと思っておりますのでよろしくお願いします。
それではまた、作者でした。




