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【第11話・パーティを組んでみようか】

 「農夫です。」「花屋です。」「力持ちです。」


 「は?良く聞こえなかった、もう一回いいですか?」


 「農夫です。」「花屋です。」「力持ちです。」


 「・・・レーベン、もう私、帰っていいかしら。」


 「まぁ、とりあえず、何とかするしかないだろ?」


 どうしてこうなった・・・。

 そう、あれは、変換師ギルドで『ヘッジズ』という、嫌ーな火の変換師に絡まれた後、気を取り直して、依頼を物色していたまでは、普通の依頼だと思っていた。



  □■□



 「レーベン、やっぱり『樹木』関係は、ショボい依頼しかないわねぇ、数も少なめだし。」


 樹木の変換師用の依頼板前で、ため息をついた。

 やっぱり、地味なのがいけないのだろうか、大きな街とはいえ、依頼内容といえば、『芝生の再生です~』とか、『道を塞いでいる大木を何とかして~』とか、まぁ、それはいいとしてだ、やっぱり貰える報酬も少なめ。

 さっき、なにげに『火』の変換師用の依頼板を覗いたのだが、どれもこれも、桁が一個違う。なんなんだろう、この差は

 

 「しょうがないさ、お前が思っているほど、この世界の治安は良くないんだ、超攻撃的な能力を持つ『火』の変換師は数も少ないしな、重宝されるんだ。」


 私の表情を察してなのか、レーベンが言った。


 「まぁ・・・無いものねだりをしてもしょうがないか、それに、危険なことは御免だしね。ってなわけで手頃なヤツをこなして、当面の資金を稼がないとね。」


 と、物色していたその時


 「リステル!何かいいのあったぞ!」


 レーベンの声、振り向くと、別の掲示板の前で、手を振っていた。


 「レーベン!そっちは私とは関係無い所じゃないの!」


 と、彼に近寄ると


 「そうでもねぇんだ、さすが、デカいギルドだけあって、剣士の俺でも受けることのできる依頼があんだよ、ホラ。」


 と、指した方を見ると


 「『ペリエ撃退願う!腕に覚えのある方、急募!』」


 ・・・ぺりえ?

 何だろう、『ぺりえ』って、わざわざ撃退しないといけないってことは、獰猛な何かなのだろう、そのまま依頼内容を読む、この街から、さほど遠くない、村外れの林に群れを作っていて、家畜を襲ったり、畑を荒らしたり、するそうだ。


 「林ン中の戦闘となりゃ、火は使えねぇってことか。それに、誰も受けてねぇってことは・・・やっぱりな、多少、危険が伴う依頼にしては、報酬が少なすぎるぜ、まぁ、村人が出し合ったと考えりゃ、これでも相当な金額だろうけどな。」


 「とはいえ・・・私の所の依頼よりは、高いわね。」


 「ま、文句は言えねぇわな。俺は獣人だし、マトモな依頼は受けられねぇ、樹木の依頼は報酬が少ない、と、なれば、これっきゃねぇか。」


 レーベンが、そう言うと、掲示板から依頼を書いた紙をひっぺがし、受け付けに持っていった。



  □■□



 ギルドの依頼ということもあり、移動は手配された馬車だったので、すぐに着くことが出来た。

 私達が着くや否や、村人全員が歓喜の声を上げながら、私達を迎えた。

 さすがに最初、レーベンの顔を見て、一歩身を引く村人達だったけど、彼が剣士の格好をしているのを見たとたん、どうでも良くなったのだろう、すぐに、村長の家に招かれ、話を聞いた。


 「・・・と、言うわけなんじゃが。」


 まんまファンタジーに出てくる、てっぺんがハゲたお爺さん、それが村長、しかも喋り方もRPGに出てくる村長まんまの喋り方。

 多分、家の隅に置かれた壺とか探したら、『小さなメダル』の一つや二つ、出てくるんじゃないだろうか?

 そして、タンスには薬草や、まさかまさかの『おなべのフタ』とか入っているのだろう、後で調べさせてもらおうかしら、そう思っていると、不意にレーベンの声がした。


 「リステル、お前、ちゃんと話聞いてるか?」


 「あ?え?うん、大丈夫、ちょっと考え事してただけ。」


 「それならいいが、で、村長さんよ、ギルドで見た依頼内容を見たんだが、俺達に何人か、人員を()いてくれるんだって?」


 すると村長さんが


 「おぉ!そうじゃったそうじゃった、既に現場に向かわせている。好きに使ってくだされ。それじゃ、怪我せんと、頑張ってくだされ。」


 笑いながらそう言った。



  □■□


  

 と、いうわけで、現場に着いた私達、村長が声をかけておいてくれた人達と、合流した。

 手には、棒やらクワやら持っていて、それとすぐにわかったけど、凶暴な何かを相手にするには、ちょっと不安の残る格好だった。

 と、まぁ見かけだけで、判断するのはアレなので、自己紹介をお願いしたときの事、その内容が

 

 

 冒頭。



 「・・・帰りたい。」


 「まぁ、集落の規模が小さいんだ、こんなもんだろ?」


 私の落ち込みをよそに、さらりとそんなことを言うレーベン。


 「何『それが当然。』みたいに言ってんのよ!こういう時にはね、普通『戦士』『僧侶』『魔法使い』、もしくは『武闘家』、百歩譲って『商人』とかじゃないのよ!ばかぁ!レーベン、聞いた?いま聞いた?私は『魔法使い』、そしてアンタは『戦士』のポジションとして、残りが『花屋』に『農夫』に、最後は『力持ち』って、職業ですらないじゃん!どうすれっていうのよ!これから魑魅魍魎(ちみもうりょう)と、やり合おうってのよ!?どーすんのよ。これじゃやパーティ全滅街道まっしぐら、気づいた時には教会、神父さんの前で、持ち金半分にされるのがオチよ、フフ・・・フフフフフフ・・・。」


 「リステル、落ち着け。後半は言っていることの意味がさっぱりわからん。とりあえず、落ち着け。大事な事なのでニ回言うぞ。」


 「だってー!だってー!」


 と、半分涙目になりながら、レーベンに訴えかけていると



 【ビチビチビチ・・・ビチビチビチ・・・】



 目の前の林から、以前、父とたまたま行った漁港で、ちょうどその時、水揚げされる魚を見た時に、聞いたことのある音がした。

 

 「何だろう、この音・・・。」


 林の方に目を向ける、その時


 「来た・・・とうとうやってきた。」

 「みんな・・・死ぬ気でやるぞ!」

 「お・・・おう・・・。」


 不安の表情を見せる、村人たち。

 もしかして・・・これが噂の『ペリエ』と呼ばれるヤツなんだろうか?

 目を凝らしていると、どんどん、その音が大きなうねりとなって、近づいてくるのがわかった。これは・・・相当な数だ。咄嗟に、私は体勢を低くして、草を掴み、いつでも変換師の能力を、発動出来るように、身構えた、その時。



 【ズザアァァァァッ!】

 


 林の中から、飛び出る物体。それが、太陽の光に照らされ、銀色に光り輝いていた。ってゆうかあれって・・・。



 『鰹』?



 周囲を包む、温暖な気候から察するに、これは『初鰹』。

 いやー、めでたい。今日は鰹のタタキが食べたいね、酒のツマミにポン酸でツルっと・・・って



 ばかぁ!


 つづく

-ここから後書き的なものです-


 今回、季節に真っ向から喧嘩を売る形になった本編でしたが、いかがだったでしょうか?

 ワタクシも、初めて知ったのですが、『初鰹』の季語は『立夏』、夏の始まりだそうです。

 回転寿司でも、定番のネタですね。ワタクシも、大好きです。


 と、ここで


 定番となりましたお酒の紹介

 とはいえ、今回は『割り物』です。


 『ペリエ』

 


 炭酸水です。

 ただの炭酸水のクセに、オシャレな小瓶に入っております。あぁ憎たらしい。

 そうそう、この存在を知ったのは、以前、記念日に奥さんと、フランス料理を食べに行った時のこと

 車だったこともあり、「どっちが酒を飲むか?」ということになり、じゃんけんの結果、ワタクシが飲むことになり、奥さんは、ハンドルキーパー。

 その時に、奥さんが、飲み物として頼んだのが、この『ペリエ』

 最初は、その風体から、レモンジュースか何かと思って、一口飲ませてもらったところ、ただの炭酸水。驚くワタクシに奥さんが


 「オット、ペリエってもしかして初めて?」


 「うん。ってゆうかただの炭酸水飲んでおいしい?」


 「おいしいとか、おいしくないの問題じゃないの、これって、スナックとかで飲まれてるわよ、オット、メンパで働いてたのに知らないの?」


 「知らん。」


 よくよく訊くと、諸外国の水っていうのは、マズいらしく、炭酸でごまかして、水代わりに飲まれてるのだとか。

 ふぅん・・・ってなわけで、今に至ります。でも・・・


 

 やっぱただの炭酸水は何かで割らないとマズいよ。



 そんなことを思っとる次第です。それでは、作者でした。

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