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殺意と慈悲心と

僕を試している?


ほんの少し前まで、変わりない高校生だった。


音羽との他愛もない会話。


この世界には、科学では、割り切れない事がある。


そう言いながら、日々の生活に追われていた。


便利な道具に囲まれて。


理屈でも、化学式でも、割り切れない謎の日々。


ドブくさい路地裏で、


何人もの、この世に縛られた人達を送ってきた。


とんでもない憎むべき世界は、


僕にとって、愛すべき世界だったのか。


目の前で、


封雲は、崩れ落ちた。


「感染だ・・・」


音羽が言った。


「感染?」


「人間だけに、感染が広がっているって」


あぁ・・・そうだ。


音羽は、感染しない。


君は、もう人ではないから。


封雲は、黒い血の塊となって、崩れ落ち、


中から、弾けた。


「見ない方が・・」


言う間もなく、黒い血の塊の中から、肉芽が、飛び出し、


逆回しの様に、黒い血の塊は、人の形となった。


「嘘だろう・・・」


後に続いていた人影も、皆、同じだった。


誰かを探していた。


知り合いなのか、はたまた、まだ、感染していない人なのか。


彼らは、僕を目指していた。


「颯太!危ない!」


封雲が。


いや・・。


元封雲が、飛びかかっていった。


「そうやって・・・残っている人間が、襲われていくの」


音羽の影が薄くなっていた。


「音羽?どうして」


「わからない!」


音羽の目が助けを呼んでいた。


完璧な霊の音羽が、僕に助けを求める。


だが、


元封雲は、僕、目掛けて襲いかかってくる。


「封雲であって・・・封雲でない!」


自分の首を切れって、言ったな!


できる訳ないか。


封雲であって、封雲でない奴。


だから・・・奴は、知らない。


僕が、簡単に感染する者ではない事を


「試しているのかよ!」


僕は、叫んだ。


いつも、封雲は、僕を試す。


「首を切り取れって?」


僕は、嗚咽を漏らした。


できるか?


元封雲、攻撃の一手は、僕を後方へと突き飛ばした。


人の力ではない。


「まいったな・・・」


子犬の様に、吹き飛ばされた。


「こんな事、感謝する日が来るなんて・・・」


人でなくて、よかったな。


母の血が、僕を感染から、守っていた。




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