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感染への恐怖

不穏な空気


僕だけでなく晴も感じているだろう。


桜咲里でさえも。


無言だった。


行き交う軍の車や空を飛び交うドローン。


あれほど、居た感染者達が、ピタリと消え、


周りは、見慣れない兵士達に溢れていた。


退魔師。


人にそう言われた事があった。


母に捨てられた愛情に飢えた青年。


感情がないとか、言われても、変わらない日常が合った。


そんな日々が、嘘みたいだった。


「!」


吐夢の顔を見て、桜咲里が、短い悲鳴を上げた。


「この子を何とかして!」


「何とかって?」


「降ろして!」


「降ろして、どうするんだよ」


こんな小さな子を1人にできる訳がない。


「感染か・・・」


晴がため息をついた。


「残念だな。」


晴は、車を止めた。


当然、桜咲里は、吐夢を降ろすと思ったのだろう。


「怖いなら、降りるしかないな。今更だけど」


桜咲里に言う。


「どうする?女1人では、危ないと思うけど」


「私を降ろすの?」


「知ってるだろう?感染を恐れるのは、君だけだろう?」


晴が、何者なのか、知らないのか。


「じゃ・・・あなたも?」


「むしろ、感染したいくらい。終わりたいくらい」


「そうなの・・・」


そう言っている間にも、吐夢の鼻から流れる鮮血は、色を変えてった。


「まずいな・・・」


色が変わっていく。


「こんな小さな体では、持たないだろう」


桜咲里は、車から、降りる様子もなく、吐夢を心配している様子でもあった。


「吐夢?」


「う・・ん」


ぼんやりとした目。焦点が合わないのか、あの日に見た封雲の顔が、思い出される。


「晴。方法はないの?」


「颯太も、感染したんだよな」


「半分、人だからな・・・」


晴が何かを考えている。


「何を考えている?」


「颯太も、症状は、見られたけど、何でも、なかったよな?」


「そうだけど・・・」


「吐夢は・・・何者だと思う?」


何を突然、晴は、言い出したのか。


「ずっと、考えていたんだが・・・吐夢」


全員が、見つめる中、吐夢の両目からも鮮血が溢れ出始めていた。

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