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死する都市

「ここから、動くな」


そう言って、本條は、真凜を奥の電算室に押し込んだ。


「何か、あったのですか?」


「何と言っていいか。不確かな話だけど」


本條は、好きなタイプでは、なかった。


自分に好意を持ってくれている。


そう感じていた。


けど。


それとこれとは、別な話で。


好きではない。


・・・と思っていた。


今、思えば。


本條が、戻ってこない。


何かが、起きて、人が消えた。


籠っている間、


外で、人の叫び声が聞こえた気がした。


行き交う人。


何故か、肌が、黒くただれ、その下に赤い地肌が、覗いていた。


火傷したかのようだ。


縦横無尽に行き交う道路條に、放置された車。


時間が、止まっていた。


そこで、すっぱりと切り取られたように。


本條の合図もないまま、扉の外に出て、


周りに光景に言葉を失っていいた。


原爆が、落ちた後の景色の様だった。


「信じられない」


そう、呟いていた。


自分だけ、取り残されている。


呆然として、


何も口にしていなかった事に気が付いた。


大好きなチャイティーを、作ろうとスティックの封を切る。


そこに、グローブを足すのが、真凜の飲み方だ。


とにかく、落ち着こう。


呆然としたり、


情報を何とか、得ようとスマホを弄ったりしながら、


少しずつ、状況が飲み込めてきた。


何かに、感染してしまった日本で、分断が起きている事。


そして、


それにつけ込んで、周辺の大国が上陸してきた事。


今までだって、


この国を狙おうとして、


実行できなかった国は、たくさんあっただろう。


チャンスが、なかっただけ。


なんだろう。


国の一大事に付け込まれた。


大都市部でも、こうだ。


地方は・・・。


人の流入を抑える事で、感染の拡大を防いでいる。


だが、


どうだ。


東京は。


ビルの谷間に、夕陽が沈む。


赤く。


血が滲む。


「それで、あなたは?」


正面の少女が、薄く笑っていた。


「埋め合わせが必要なの」


「埋め合わせ?」


「あなたを必要としている人がいてね」


「パパ・・・に頼まれた人?」


「人?」


音羽の口の中で、何かが光った。


「そうなのかな・・・・。今、起きている事はわかっている?」


「ドラマみたいな事」


「それより、最悪な事」


外で、大きな音がした。


音羽が、すかさず、右手で、真凜の視界を塞いだ。


鼻をつく匂いが、ここまで、漂ってくる。


「人が人を殺すなんて、結局、変わらない」


倒れていた感染者を、侵略者が、焼き尽くしていく。


「このままでは、終わらない」

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