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世界は、変わる

逃げる。


どこへ。


真凜は、決断した。


助けを待つ様に、父親に言われた。


だが、


本能が叫んでいた。


ここにいては、いけない。


なら。


どこへ、行けばいいのか。


感染が広がっているのは、わかっていた。


自分も、絶対、感染しない事はない。


誰かが、故意に起こした事に間違いがなかった。


社内が、静まり返っていた。


不思議な程。


自分が、知らない間に、飲み込まれた闇の様に。


鳴り響いていた電話も、話し声も、ぴたりと止んでいた。


人がいない。


自分を残して、他の人が消えた。


何度、目を凝らしてみても、自分以外に、人はいない。


「助けを送るから」


そんな力は、父にはない筈。


感染が、広がり、社内にもパニックはあった。


研究室から、何かを持ち出す研究員もいた。


「助かる方法」


誰もが、そう考えた。


ワクチン。


もう、製造されていない。


廃棄されたワクチン。


あれが、あれば。


感染したとしても、軽く済むはず。


そう、同期の本條が、言っていた。


「まだ、治験の段階だった。成果がある保証もない。中断したんだよ。リスクがあったから」


彼の言った事は、本当だった。


自分が、何気に廃棄していた処理に紛れ込んでいたアルファベットと数字が組み合わされた地図。


どこの場所かも、わからない。


地図かもしれないし、


どこかの建物の見取り図かもしれない。


気になって、破り取っていた一ページが、ポケットには、あった。


「命を奪う秘密もあれば、つなぐ秘密もあるね」


意味深な事を言い残して、本條すら消えた。


自分だけ。


建物の中にいる。


なぜだ。


激しく空を行き交うヘリコプターの音。


窓の下を見慣れないジープが行き交った。


「外には、出ない方がいいわね」


窓から、外を見下ろす真凜の後ろから、囁く女性の声がした。


「だれ?」


社内の誰かが、まだ、居た!


喜んで、振り向くと、そこに居たのは、見た事もない、


女性が立っていた。


歳の頃は、まだ、十代後半くらいだろう。


背中迄、真っ黒な髪を垂らした、透き通る程、色の白い女性だった。


「助けに来たの」


女性は、名を音羽と名乗った。

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