僕らの珍道中
不思議な珍道中が始まった。
変わらず、陽は東から、昇り、西側に沈んでいく。
何が起きたのか、理解できない人達が、少しずつ、何が起きたのか、
理解できてきた。
この荒廃した日本を放っておく訳がなかった。
感染するかも。
そう考えた国外の人は、少なかった。
国内の者が襲われているのに、
海外から、人が押し寄せてきた。
救助と見せかけた侵略だった。
戦わずして、この島国を乗っ取る。
そんな感じだった。
「俺達には、関係ないよな」
通り過ぎたジープを横目に、晴が呟く。
「関係ない?事はないよ」
僕は、言った。
人でないから?
人だから?
そんな事ではない。
僕の生まれたこの地を、
守る責が僕らには、あるんだよ。
晴。
確かに、僕は、非難される立場かもしれないけど。
こんな僕を守ってくれた人達がたくさんいる。
・・・音羽・・・・
胸がギュッとなったが、僕は、その感情を押し込んだ。
火事場泥棒みたいに、
侵略されていい訳がない。
戦う。
でも、まだ、そんな時期ではないだけ。
「僕は、戦うよ」
「そうだな。お前は、そういう奴だ」
故意なのか。
この爆発、そして感染。
どうして、日本近海に持ち込んだ?
どうして、5千メートルも海底で、爆発する事ができた?
圧壊したのではないのか。
吐夢は、僕の膝を枕にして、眠っている。
「一体、どうやって、今まで、生きてきたんだ」
晴が言う。
感染が蔓延した中で、子供が生き残れる訳がない。
道路の真ん中に、倒れていて、僕らに拾われるなんて、偶然にしたら、
できすぎている。
疑うにしても、
カレーを頬張る吐夢の顔を見ると、
何も言えなくなる。
誰かの策略なのか。
桜咲里は、距離をとりながら、僕らの後をついてきている。
「どこかで、巻かないとな」
「晴・・・その事なんだけど」
僕の耳が、もう、一つの音を感知していた。
「勝浦・・・?か」
「たぶん・・・」
僕に頼んでおきながら、ついてきたのか。
「感染が蔓延してるのに、海外部隊が投入されているのを知って、安全と勘違いしたか?」
「実際の所は、どうなの?」
「そうだな・・・。まだ、始まったばかりだから、よくわからないが」
感染しない方法があるようだった。
「ワクチン?」
「そうだとしたら、爆発は、分かりきった事だった?」
「そうだ」
「侵略が目的で?」
晴は、ため息をついた。
「いつの時代だって、変わらないんだよ。」
晴だからこそ、実感のある声だった。
「お腹痛い!」
突然、飛び起きた吐夢に、僕らは、翻弄される。




