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変わりゆく景色と僕らの関係

無言。


耐えきれず、口を開こうとする。


「景色が変わってくるな」


先に、言い出したのは、意外にも、晴だった。


音羽が消えた。


あの封印された時。


人への恨みで、どうしようもなかった彼女。


荒れ狂う彼女の心をようやく落ち着かせた日々。


一つ、一つ、人と付き合う上で、大事な事を、共に学び、育っていった。


考えたら・・・・。


妹というより、自分の片割れだった。


人を襲わない事。


それを破ったら、消えるよ。


師匠との約束。


それが、僕を救う為だったとしても、


音羽は、罰せられてしまうのか。


そんなに、音羽の存在理由は、薄っぺらなものなのか。


悔しくて、自然に涙が溢れた。


「泣くのか?」


僕は、晴の問いに首を振った。


いい歳して、シャツの袖で、涙を拭う。


「大事にしろよ」


「晴だって」


しばらく、沈黙。


音羽は、居て当たり前の存在になっていた。


考えたら、初めて、家族みたいになっていた。


脈絡のない会話をしながら、周りの景色が変わっていく事に気がつく。


荒廃した景色である事に変わりはない。


ただ・・・。


明らかに彷徨う人達に会う機会が減っていった。


「こんな簡単に、人がいなくなるなんて・・・」


「嬉しいか?」


「そうじゃなくて」


誰だって、こんな日が来るなんて、思わない。


僕や音羽、晴の様な存在が、残って、人間が次から次へと、倒れていくなんて・・。


「晴は、知っていた?」


「あぁ・・」


内容も知らず、晴は、返事した。


「まだ、何も言っていないよ」


「だいたい・・わかる。せめているんだろう?」


感染が広がる原因を知っていたのか?って。


「五千メートルの深海で、起きる事なんて、流石に俺も知らなかったよ」


持ち込まれた兵器が、沈没。


地殻変動か、圧壊したのか、


それは、突然、広がった。


「ただ・・・どちらにしろ。遅かれ、早かれ、半分以上は、消える事になっていた」


「自然淘汰ではなく?」


「これも、自然淘汰だろう?自分達が、起こした事の、結末だ」


まるで、音羽が消えたのも、音羽が起こした事が原因だと言っている様だった。


「晴にも、責任があるよ」


「そう思っている・・・」


意外な返事だった。


「俺が、あの女を放っておいたから」


晴の僕を見る目が嫌だった。


「何だよ、その目!あの女って誰?」


「嫌・・・」


晴の目が泳いだ。


僕には、言えない理由があるのか。


景色の中に、溶け込む人達の姿が、感染者だけでなく、行き場を求めて、彷徨う人達の群れへと変わっていった。


少しずつ、何かが、変わっていく。


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