関わらない主義
颯太を、亡き者にする事。
そう、決めていた。
勝浦には、申し訳ないが、
それは、譲れない。
颯太が、変わりなく過ごせる。
そんな事、許せない。
時間をかけて、計画を練っていた。
こんな不幸が、この世界に起きるなんて、考えていなかったから。
颯太を、亡き者にしたら、
自分は、倒れてもいい。
彼への償いをさせる。
こんな時でも、金に朱着する者はいて、
全財産はたいて、雇った精鋭。
海外の軍隊で働いていたって言っていた。
必ず。
仕留める。
桜咲里は、機会を伺っていた。
だが、思わぬ障害が入った。
「あいつら・・・」
この世には、理解できない輩がいる。
颯太もそうだが、
あの高校教師。
晴とか言った。
妖との噂があった。
香港で知り合った怪しげな老人が言った。
「邪神。害はない。人の運命を弄ぶ事はしない変わった輩がいる。気まぐれに、人の運命を覗き込むが、決して、手は出さない。かといって、それを確認した者はいない」
「どうして、日本に?」
「はて。元は、大陸にいたと聞いた。何かを追いかけて、渡ったらしい。そのまま、帰らず、日本にいるよ。閉じ込められたとの噂だ」
閉じ込められた?
誰に?
それとも、自ら?
狙った颯太との間に、ふって現れた邪神、晴は、どこから見ても、ただの冴えない高校教師に見えた。
「あれが、邪神?」
颯太も、そうだが、全く、普通の人間と変わらない。
「本当に、妖なのか?」
狙いを定める。
「本当に、やっていいのか?」
誰かが言った。
「こんな世界になっても、人を殺すのは、罪だろう?」
「人を殺すのは・・・だよ」
「いつ、自分が感染するのか、わからないからな。さっさと済ませて、逃亡させてもらうよ」
「早く、仕留めてよ」
いつまでも、この地には、とどまれない。
財力のある者達は、裏のルートを使い、逃げ出している。
こいつらも、当てには、ならない。
早く、颯太を消してしまおう。
香港で、手に入れた銃弾で。
こいつなら、きっと、あいつを仕留められる。
桜咲里は、颯太を狙った。




