アンバランス
「嘘だろう?」
時として、予想つかない事は、起きる。
信じられるか?
今まで、当たり前だと思っていた世界が崩れるなんて。
この時、晴もそう思っただろう。
彼が巣食う砂漠の世界は、彼の安息の地であり、
永遠を約束された地だった。
崩れるなんて事はない。
絶対に。
それが、蟻地獄の様に、
足元から崩れていった。
その先は、どこに繋がるのか。
加わった圧の抜け先は。
早くに反応したのは、音羽だった。
彼女に、重力なんて、関係ないのに。
足先に掛かった重力は、別の空間へと流れ出ていった。
「?」
抜け切った宙に、突然、開いた空間。
足先から、飛び出し。
それは、音羽の姿に。
「なんで?」
続いて、邪神 晴が、続いて、宙に放り出されてっ行った。
そこは、砂漠。
いや・・・。
砂漠とかした北関東の地だった。
まさしく、
颯太が、銃口を向けられた瞬間。
颯太の前に、現れていった。
「なんで?」
視界に、落ちてくる2人に、咲桜里も、颯太も、一瞬、何が起きたのか、
理解ができなかった。
「はぁ?」
何が起きたのか、理解できないのは、咲桜里も、同じだった。
一瞬、怯んだ。
突然、宙に現れた2人に、
目を疑う。
「人なのか?」
あんな事故があってから、人ではない者が、蔓延っている。
颯太と一緒にいた筈の女も、再び、現れた。
「どこからだ・・・」
銃を構え直した。
颯太と一緒に、いた2人は、怪しい。
そう聞いていた。
気持ち悪い奴。
それは、颯太。
行動を共にしていた女は、素性がわからない。
幽霊みたいな女。
誰かが言っていた。
新たに加わった男。
無精髭を生やし、眼鏡。
顔を何度も、見ようとしたが、捉える事ができない顔をしていた。
よく見えない。
いずれにしても、自分達とは、違う。
また、怪しい奴が増えただけだ。
思い直して、銃を構えた。
「辞めた方がいい」
どうして、自分の世界から、こちらに飛ばされたのか、
理由がわからないが、
崩れたプライドを慌てて、取り繕った晴れが、声を上げた。
理解できたのは、
颯太が、人間に狙われている状況に、居合わせたって事。
たかが、銃口を向けられただけで、ピンチとは、考えられないが、
人に恨みを買ってしまう状況と言う事は、理解できた。
「そいつは、簡単に死なない」
「そう言い切れるかしら?」
女は、強気だ。
そこまで、恨まれている。
これは、面白い。
人が減って退屈だ。
面白い生き方をしている颯太が、
追い詰められるとは・・・。
なかなかない。
見物するか。
「・・・なんて、思ってないでしょうね」
突然、現れた晴に、颯太は、声をかけた。
「面白いなんて、思っていないよね。そう言う場合じゃないでしょ」
「おや・・・久しぶり!」
「・・・て。今まで、何やってたの?こんな世界になって」
「いや・・・まさか、俺も、こんな事になるとは」
晴は、苦笑いした。
「知ってたんじゃないの?」
笑いが引き攣った。




