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復讐する時

目を疑った。


こんな状況なのに、彼が現れた。


忘れもしない顔だった。


出逢ったのは、まだ、あの人が居た頃だった。


あいつが、原因で、あの人は亡くなった。


自殺だった。


無表情で、関心のないあいつが、あの人を死に追いやった。


何もかも、枯れ果てた世界で、


この世に心残りはなかったが、


勝浦と辿り着いたこの地で、


あいつを見つけた。


気味の悪い奴だった。


解決できない事件は、


あいつに頼むと、解決できると聞いていた。


「人ではない。」


そんな噂を聞いた。


栃木に、あいつの母親の痕跡があると聞いた。


「あぁ・・・九尾の狐の話は、韓国にも、中国にもあってね」


あいつの母親は、子を産むと、すぐ、消えてなくなったと、聞いた。


人であるか、どうかなんて、関係なかった。


大事な人の命を奪った事に、変わりはない。


いつか、機会があったら、


同じ目に合わせたい。


そう思っていた。


こんな所で、逢うとは・・・。


再会して、


あいつの印象が変わっていた。


こんな世界になったのに。


あいつの目は、輝いていた。


自分は、まだ、悲しみの中にいるのに。


「前から、内々的に言われていたんだ」


今回の、感染症の原因を勝浦は、知っていた。


「生物兵器を積んだ潜水艦が沈んでいる。海溝の奥底に沈んでいるので、問題ないだろうと、誰もが、思っていた」


「そんな噂は、聞いていますね」


咲桜里は、言った。


極秘に積んだ生物兵器との噂なので、真偽は、定かではない。


「海の中の事だから、爆発しても影響はないっても、言われていましたよね」


「そうなんだが・・・。近くで、海底火山が爆発したとも、言われている。火山のせいなのか、それとも・・・」


「それともって?」


「意図的だとしたら、かなり悪意だ」


そして、その生物兵器は、爆発した。


「近くに、巻き込まれた漁船が数席あって・・・・。救難信号があって、助けに向かった人達がいた」


「助けに行かなければ、広がらなかった?」


「そうだな・・・皮肉な事に」


誰が、感染しているか、わからないまま、逃げて、恐れながら過ごすうちに、分かった事がった。


感染しても、生き残る人達がいる。


必ず、死ぬ訳ではない。


それは、なぜか。


「勝浦先生?」


「人にしか、感染しない。が、必ず、亡くなる訳ではない」


「100%人でなければ・・・助かるって事?」


「と思う」


咲桜里は、はっとして顔をあげた。


「知っています。そういう人」


「まさか・・・そんな人、いるのか」


「いるんです。私、知っています」


あいつが、そうなのだ。


気味の悪い表情のないあいつ。


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