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歪んだ関係は、解けるの

「深追いしない。俺」


晴が豪言していた。


大事だと思う


僕は、深追いすぎて、完璧さを求めるあまり、失敗する。


今回の件は、奇しくも、母を追いかけて辿り着いた地で、


こんな事になった。


「君なら、可能だろう」


痛めつけていた相手に言える言葉か。


僕は、鼻で笑った。


きっと、咲桜里が、都合のいい事を吹き込んだんだろう。


僕は、彼女に恨まれている。


調子に乗っていた僕が、起こした事件が原因だけど。


咲桜里の執念深さは、異常だった。


僕を殺したいと思っている事は、間違いなかった。


ボタンひとつの掛け違いで、僕らは、憎み合っている。


「せいぜい、腐って溶けないようにな」


暖かい言葉で、咲桜里は、僕らを送り出す。


丁寧に書かれた地図と残り少ない食料。


それらを渡して、言った。


「忘れないで、私は、あなたを殺したいと思っている事を」


「僕が、まっすぐ、帰ってくると思う?」


「帰ってくる。理由を知れば、ここにいる人達を助けたいと思うでしょう?」


「理由?」


「やがて、知る事になる。そうしたら、あなたは、放って置けなくなる」


「今話せないのか?」


「話すもんですか!それが、何なのか、苦しめばいい」


僕が、ここに避難している人達を放って置けなくなる理由。


「感染に関係あるのか?」


「よく、考える事ね」


燃料を確認し、古いジープのエンジンをかけた。


走れるかな。


僕は、不安になった。


音羽や晴と、旅していた頃が懐かしい。


あいつらは、どこに行ったのか。


「ここからは、別行動だ」


いつになく、厳しい顔をして晴は言った。


邪神として、


僕と行動するのは、違和感があった。


むしろ、一緒に行動すべきではない。


彼と一緒に行動する事は、タブーだから。


音羽。


世界が、こんな事になって、


音羽の存在理由が危うくなっていた。


人が居るから、彼女は存在する。


人が、いなく慣れば、彼女は、存在しない。


いつ・・・消えるか。


音羽は、自分の存在理由を恐れていた。


こんな終わりの世界でも。


今回、僕は、一人で、旅に出る。


一人の女性を探して


砂漠と化していく荒野。


どこまで、走る抜けられるか。


冷めた咲桜里の顔を横目に、僕は、洞窟のあるこの地から、去る。





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