懺悔
こんなんじゃなかったよな。
僕の記憶。
咲桜里との悪縁の始まり。
まだ、中学生だった頃だ。
青々しい日々。
仕事で、不在がちの父親との二人暮らし。
僕は、預けられていた山寺から出てきたばかりで、
荒れていた。
他人から見たら、大人しめに見えた僕は、
それをいい事に、裏では、弱い者を虐めていた。
というか、追い詰めていた。
自分でも、恥ずかしい。
身のやり場のない僕は、少しばかり、能力があると上せあがり、
キズのある人達を、脅迫し、追い詰めていた。
母に捨てられた僕は、妙な能力があった。
退魔師とまでは、いかないが、追い詰められた人達が、
僕に助けを求め、
僕は、高額な金銭を要求し、解決へと導いていた。
修行と称して、
誤魔化していたが、
山寺は、修行なんかじゃなく、
僕は、隔離されていただけで、
人に自慢できる事ではなかった。
人には、見えない物が見え、払ったり、封じ込める。
自分が、人間なのか、人なのか、ますます、わからなくなっていた。
そんな時、僕は、一人の少年と知り合った。
「やめた方がいいよ」
僕は、同じ年頃の子達が、たむろする街中で、声を掛けられた。
明るい瞳の少年だった。
「飲んでるでしょう?」
何を言っているか、わからなかった。
彼が、言っているのは、鎮痛剤の飲み過ぎの事だった。
優等生にも見える彼。
僕の瞳が、よほど、虚に見えたのだろう。
「はぁ?」
そう言い、彼を見た時に、僕は、最低な考えが浮かんでいた。
何度か、見かける彼は、誰かを、探しているようだった。
「よく、来るの?」
僕は、彼に取り入った。
真面目な彼の抱える闇。
僕に、興味がある訳でもないのに、ただ、声を掛けた事が許せなかった。
まっすぐな瞳が。
僕は、彼を陥れ、彼は、自ら命を絶った。
咲桜里は、
彼が探していた彼女だった。
「殺したい程、憎い奴」
彼女は、僕を憎んでいる。
こんな所で、逢うなんて。
逢えて良かったのか。
僕の中で、血が逆流していた。




