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第129話 ラグナ=ノヴァ襲来(しゅうらい)――記録(きろく)なき戦場(せんじょう)

第129話 ラグナ=ノヴァ襲来しゅうらい――記録きろくなき戦場せんじょう


記憶きおく楽譜がくふが破れ、空間くうかんは“忘却ぼうきゃくの海”にまれ始めた。

その中心から現れたのは、巨大なるりゅう――**虚音竜きょおんりゅうラグナ=ノヴァ**。


その姿は、音も色も持たぬ影。

つばさ虚空こくうを裂き、つめは過去の出来事すら切り捨てる。

そしてその眼は、“あらゆる存在が記録される前”を見つめていた。


「こいつが……記憶そのものを否定ひていする存在……!」


ユイの声が、震えていた。

だが、彼のひとみは強く、仲間を見回す。


「絶対に、記録をうばわせない。

この旅のすべてを、君たちの想いを、何があっても……!」



ラグナ=ノヴァが咆哮ほうこうした。


その一声ひとこえだけで、記憶の地形が崩れ、空間そのものがけずられていく。

ノンコードたちすら飲み込むその音は、“記録なき戦場”の幕開けを告げる破滅のかね


「この空間……名前が消えていく……!」


稲森晴佳いなもり はるか驚愕きょうがくする。

彼女の手の中にあった“名前の記録書”が、空白になっていく。


「“記すこと”そのものが消されていくなんて……!」



しかしその時、ノエルが静かに手をかざした。


「記憶は、ただ“保存”するだけのものじゃない。

“誰かと共有きょうゆうし、つながる”ことで、初めて強くなる」


彼女の手から輝いたのは、夢精霊ゆめせいれいの力――

夢律連鎖むりつれんさ」。


ユイ、ノエル、スイミー、そして正義の五星戦士たちの記憶が一つに結びつき、

宇宙そらの中心に**共鳴円陣きょうめいえんじん**が広がっていく。


「行くよ、ユイ!」


白鳥秀樹しらとり ひできが水の力でたてを張り、

如月龍一きさらぎ りゅういちが雷光をまとって突撃する。



そして――ユイが叫ぶ。


全記録連結技ぜんきろくれんけつぎ――**煌記爆奏こうきばくそう〈メモリオ・ブレイズ〉**!!」


光と音と想いが合わさったその一撃は、

ラグナ=ノヴァの胸を穿うがつ。


虚音が崩れる。

だが、ラグナ=ノヴァはまだ倒れない。


「記録が……連結されるほど、

われは強くなる――忘れられぬ記憶は、永遠のうずす……!」


それは、記憶を破壊する存在でありながら、

同時に“最も深い記憶の守人もりびと”でもあるという矛盾。


「ならば僕たちは、矛盾ごと抱きしめる!」


ユイの瞳に燃えるのは、“完全な否定”ではなく“受け入れ”の意志だった。



戦いの果て――

ラグナ=ノヴァは深く沈黙する。


そして、その胸の奥から一片いっぺんの宝石が浮かび上がる。

最後の九聖龍の宝――


**金音結晶きんおんけっしょう〈オリヴ・ミラージュ〉**


「これで……全ての宝がそろった……!」


スイミーがつぶやくと同時に、空間が光に満ちた。


「鍵の扉が――開かれる!」


次なる舞台は、“創造の核心”――すべての始まりと終わりが交錯する場へ。


――つづく

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