第6章「爆弾ティータイムと地獄の合唱」
空が、赤かった。
神の椅子が旋回を早めるにつれ、空そのものが“怒り”を映すように染まっていく。
満腹区は、完全な戦闘区域へと突入していた。
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【太陽連合】
「よし、整列っ!!!!!」
ふー太郎の一声で、地面が鳴った。
組員百人が正座で並び、手には感動の涙で塩味のきいたおにぎり。
「……異能がないってバカにされる。せやけどな。拳はウソつかん」
ふー太郎が地を踏み鳴らす。
「殴れば終わる!!!」
ドォン!!!!
土煙が舞い、敵前線のビル一棟が吹っ飛んだ。
ガレキに巻き込まれどこかの構成員が1人死んだ。
組員:「やっぱこの人、贅肉と筋肉で全解決やん!!!」
組員:「地球のどこかにいる“本当の兄”って気がしてきましたァ!!」
笑いと涙の混ざった出陣式だった。
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【清心会】
リエラは紅茶を注ぎながら、そっとつぶやく。
「さて、乱戦が始まるわね……。全員、配置について」
その傍ら、スパイ部隊が静かに動く。
・吉師:「ターゲット、接触完了。次の一手は?」
• みぅ:「あめちゃん、ちょっと変じゃない……?」
•あめ:「ふぇ!? わたし、ピュアですよ!?純粋の“純”って書いて“ぴゅあ”!」
リエラは笑って、言った。
「情報戦も恋も、先手がすべてよ」
その手には、「恋愛偏差値」なんて書かれたスコアブックがあった。
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【空風巡回組】
そらんは、謎のエナジードリンクを飲み干して叫んだ。
「全員っ!! ヒール高めて前進やぁ!!!」
ヒール部隊:「はーい♡♡♡ 今日のメイク、殺意100%ルックでいきまーす♡」
「ルックて!」
せきたてもニヤリと笑う。
「へっへっへ……ワシの新しい異能、見せたろか……」
《笑撃波 -ラフストリーム-》
笑い声を空間振動に変換し、爆撃のようにぶちまける技。
一発かますだけで、敵が全員変な顔になる。主に精神的ダメージ。
「この世界で一番ヤバい“笑い”、聞かせたるわあァ!!」
組員:「うるせぇ!!(爆笑)」
組員:「内臓揺れた!!(爆笑)」
組員:「せきしゃん!!(爆笑爆笑爆笑爆笑爆笑)」
その狂気、まさに裏社会の“道化にして処刑人”。
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【混戦の中の“ゆーすけ”】
太陽連合の前線にて。
ぶるべる:「なぁ……ゆーすけ、今日のおまえ、なんか違わねぇか?」
ゆーすけは、うっすら微笑みながら紅茶を飲んだ。
「今のゆーすけは、“歩く爆弾ティータイム”よ。誰にも止められないわ」
直後、空間がふわっっっと爆発。
《乙女爆弾 -メルティ・ラブミサイル-》
ふわふわした言葉と香りで敵の精神を攪乱し、油断させた直後に爆破するという異能。
ふー太郎:「ゆーすけ、恋で爆発すんなや!!」
ゆーすけ:「アタシの恋は戦争よ、ふー太郎ちゃんッ!助けてあげる!」
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【さらに増える混沌】
•髭もぐら:「おい……笑いも感動も血も全部流れてる……悲しいけど、これって戦争なのよね」
•ガバチョ:「さくら、また正拳突きだけで突撃してへんか?」
さくら:「“考えるより殴る”が脳筋の合言葉じゃけぇぇえええ!!!!」
ドカーン!!!!
•TSUKiちゃん:「感謝の正拳突きッ!!はぁぁぁああ!!!!」
•馬肉:「今日のダンス、血で滑るっちゃけど♡」
にぇるこ:「こんにゃろーTV登録者数伸びんかったら、全員ぶっ飛ばすぅうう!」
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【最前線】
その中、ふー太郎は戦場を睨んでいた。
「……俺は、まだ見つけられてへん。
この戦いの“意味”を」
その拳が、わずかに炎を帯びたように見えた。
(異能なき、この拳が……誰よりも先に、未来を掴めたら)
遠く、空に浮かぶ“神の椅子”が、小さく震えた。
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