第五幕 二人の関係
「なんなんだあのオオカミは??」
『出会ったときからああいうやつだよ』
『いつも僕ばっかり我慢して…クソ』
「…なぁ、お前とアイツの関係ってなんなんだ??」
『え?…さぁ、知らない』
「知らないことないだろ…」
『僕にも分かんないよ。アイツは腹立つ奴だし、僕のためって言うけど結局自分のためにしか動かない奴だよ』
…そうだろうか
なんか違う気がするけど…
『そろそろご飯作ってくるから待ってて』
「あ、あぁ…」
少しオオカミにも話を聞いてみたいところだが…
襲われたら嫌だし勝手に人の家漁るのも良くないよな
てかなんかずっとドア開けたまま立ち尽くしてないか?アイツ
「ど…どうした?」
『…クソ』
え、何が…??
ん??待て、なんか廊下に置いてあるな…
「それなんだ…」
あーー…なるほど
廊下にはオオカミが作ったと思われる料理があった。
「しかも二人分…」
『僕はいらない』
「待て待てそんなこと言うなよ!」
『アイツが作った料理とか食べたくない』
「それで餓死したらどうすんだよ?」
『僕だって料理ぐらい作れる』
「例えば?」
『…たまごかけごはん』
「ほぼ料理じゃねぇ…」
「とにかく!無駄にもなるから、な?食べよう?」
コイツ…普段料理はオオカミに任せてんだろうな…
多分街に住んでたらカップラーメンを料理って言い張ってるぞ
『…はぁ』
『「いただきます」』
「…え、美味くね?」
「オオカミって料理できるんだな…」
『無駄に料理だけは上達してるからね』
「へぇ…」
『……』
「……」
…なんだこの沈黙
「そ、そうだ!あのオオカミについて色々教えてくれないか??」
『はぁ?なんで?』
「なんでって…」
「知りたいからに決まってるだろ、そのために来てるんだ」
『…はぁ』
『アイツはドクバオオカミだよ。そんな奴の元に来るなんて物好きだね』
「え?ドクバオオカミ??」
『知らないの?ドクバオオカミ』
「え、なにそれ知らない」
『はぁ??』
『ドクバオオカミってのは…毒の牙があって不死のオオカミなの』
「え!?アイツ毒持ってんの!?」
『うるさい!!』
「あぁすまん…」
『…で、ドクバオオカミが不死であることから、昔から"ドクバオオカミの肉を食べると不死になる"とか"ドクバオオカミの毒に耐えられたら不死になる"とか"ドクバオオカミの毛皮を身につけると不死になる"とか色々言われて、今もそれが伝わってる』
『そしてその言い伝えのせいでドクバオオカミは狩られまくって、今や希少な存在。』
『でもドクバオオカミの毒の牙があるから誰も近づきたがらないもんだよ』
『そんな奴の元に来るなんて本当に物好きだと僕は思う』
そう言いながら彼は料理を食べる。
「…全然知らなかった…」
「街ではオオカミが出るって噂しか無いからな…ドクバオオカミなんて種類がいるのも聞いたことない」
「それも数が少ないからか?」
『そうだろうね』
なるほど…また一つオオカミの知識が増えたな…
…そしたら、あのオオカミが言ってた「耐えられなかった奴はすぐ死ぬ」も…不死じゃないから獣人よりも先に死ぬ、ということになるのか?
それだとコイツが可哀想だからってことで不死の奴を探してる…?
だが、そしたらこの…なんだっけ、カッピー?ってやつも不死じゃないだろうし、オオカミは悲しくないのか??
「…一つ聞きたい」
『何』
「お前は不死なのか?」
『…まぁ』
『多分僕も不死だろうね。昔にアイツに噛まれたけど死んでないし』
「なっ、えっ、お前も噛まれてんの!?」
『うん。初めて出会って僕が気絶したとき噛んだって』
『人を実験台にしやがって…』
コイツも不死なのか…
てか言い伝え?っていうの本当なのか
だったらこの館もっと人が来てるんじゃ…??
『「ごちそうさまでした」』
マジで分からないことだらけだなこの館…




