第二十四幕 森の中のランサー
『探偵って何するの?』
「んー、基本的に暇だよ」
「やっと依頼が来たと思ったら欲しい商品が遠くて買えないから代わりに買ってきてくれだの家のエアコンを修理してくれだの…変な依頼ばっかり…」
「うちは何でも屋じゃないっつの…!!」
「まぁ、依頼が来てくれるだけいいんだけどさぁ〜…」
〈依頼一つでいくらぐらい稼げんの?〉
「んー…物にも依るけど、大体一万から二万ぐらい?」
〈結構稼げてるじゃん〉
「いやいや一回の値段が高くてもそれが月に数回しかないんだから稼げないの」
「さっきも言ったけど、今の時代探偵って結構おかしな人扱いされるんだよ。昔は浮気調査とか人探しによく使われてたらしいんだけど」
「今じゃそんなの、嗅覚とか聴覚が鋭い獣人に任せた方が手っ取り早いから、個人経営で人間の自分の事務所じゃ、全く儲からないんだよ」
〈ふーん…〉
『じゃあこれから僕たちが頑張らないと…!』
「ぜひともそうしてほしい」
その時、弓門は突然左から強い衝撃を受け、隣にいたカッピーを巻き込み倒れてしまった。
「いっった!!何!?」
『急に押さないでよ!!』
一斉に倒れた原因となる八代の方を見る。
そこには、槍を持った大柄の男が、八代に槍の先を向け覆い被さっていた。
「は…?」
目の前の状況が理解できない2人は愕然とする。
一番最初に口を開いたのは男の方だった。
【…あっ?人?】
【あっ!?ごごごめんなさい人だと思わなくて!!】
『え??』
〈はぁ??〉
突然謝りだしたかと思えば、木に背中を打ち付けるように離れる男。
【森の動物かと思って…!!本当にごめんなさい!!】
どうやら3人のことを動物だと勘違いしていたらしい。
〈…血出てきた。天野んとこ一回戻るぞ〉
『うわ…いたそう…』
「はい、ティッシュ」
〈ありがと〉
【あっ!ぼ、僕も行きます!責任取らなきゃだし…】
〈えぇ…怖いから嫌なんだけど…〉
「いや、ついてきてもらった方がいい」
「多分"コレ"取れる」
そう言って、手のひらを上に向け人差し指と親指で丸を作る。
『コレ…?』
〈あー…金?〉
「わざわざ言わないでやったのにさぁ!!」
そしてそのまま4人は天野病院へと戻った。




