第十一幕 助手
《毬ちゃん!ちょうどいいところに!》
〖なんでこんなに集まってんの…?〗
〈よっ、矢形〉
〖あぁ、りなのとこのか〗
〈そ、カッピーと迷い込んだ人間〉
〖迷い込んだ人間??〗
《毬ちゃん見て見て!クマの皮とお肉貰ったの〜》
〖お、いいね〗
〖りなから?ありがとう〗
〈ふふんどういたしまして〉
「なんでそんなドヤってんの?」
『コイツ褒められたらいつもこうなるんだよ』
〈ドヤって何がわりぃんだよ〉
〖はは、仲良しだね〗
《ね〜》
《毬ちゃん、ちょっとお茶の用意ができてなくて…》
〖あぁ、やるよ〗
《ありがとう!》
《あ、そうそうあれは…》
な…なんかボソボソ耳打ちしてる…怖…
《先に検診しちゃおっか!》
〈はーい、ちょっと待ってて〉
「おう」
案内されたソファに座る。
定期検診って何するんだ…??
てか毒採取って言ってなかったか???
牙から毒採るんか…??
〖はい。これお茶〗
湯気が出ていてとても美味しそうに見えるお茶が目の前に出される。
『ありがとうございます…』
「あ、ありがとう…」
勢いよく検診室の扉が開かれる。
〈待て矢形お前さっき何入れ"っ〉
《はーい病院ではお静かに〜♪》
〈ん"ーー!!!!〉
口を塞がれ暴れるがすぐに制御された。
「何何何???」
『怖いんだけど』
〖あー、これは特別な茶葉使ってるから何か勘違いしたのかな?〗
〈ん"ん"!!!〉
精一杯首を振ろうとしているが、押さえつけられて動けないようだ。
「めっちゃ何か言いたそうだけど」
《とりあえず!最近仕入れた茶葉だから一旦飲んで飲んで!》
急かすように医者が言う。
『ほんとに大丈夫なのか…???』
「まぁしばらく飲み物とか飲んでないしな…」
《飲んでみて飲んでみて〜!》
「じゃあ…」
少し恐怖しながらも飲んでみる。