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エリアヒール!~まだ走らせんの? この女は!(優香と恵理子)

わんも「いつも本作を読んでくださりありがとうございます」

千里「ありがとうございます」

わ「読んでくださっている皆様に、お知らせがございます」

千「なになに? いい話?」

わ「いえ、いい話ではないのですが」

千「……」

わ「これまで17時40分頃を目標に投稿をしてきたところではございますが、4月より生活スタイルが変わることになりまして、その時間には投稿することが難しくなりました」

千「予約投稿でいいじゃん」

わ「どうしようもない日はそうしていましたが、基本、確認をしてから(それでも誤字等はありますが)投稿したくて」

千「それで何時になるの?」

わ「それが、新しい生活がどうなるかわからず……」

千「何時になるかわからないと」

わ「はい。さらには、安定するのがいつになるか」

千「でも毎日投稿はするのよね」

わ「はい。それは目標にしていますから」

千「そういうわけです。その件は大変申し訳ないのですが、私の出番はもうすぐなので、楽しみにしていてくださいね」

わ「今後ともどうぞ……」

わ&千「よろしくお願いいたします」

 優香と恵理子は、ネフェリとリピー、リーシャとブリジットを従えて、二人の騎士団長の下へと歩み寄る。


「さあ、どうしてロージアを亡き者にしようとしているのかな」

「我々は、教皇様より直々に、悪魔に操られている聖女を殺すように命じられたんだ。死亡してすでに悪魔に精神を乗っ取られているという報告を受けたと、教皇様は言っていた。実際に悪魔の従者を引き連れた者と一緒に行動していただろう」

「それで、ロージアを殺そうと?」

「そうだ。聖女が悪魔に操られているかどうかなんて、区別がつくか? 悪魔の精神を持った聖女を王都に入れて、国民がどうなると思っている?」

「そもそも、その乗っ取られているとか操られているとか、確認する前にどうして殺そうとするんだ」


 優香の言葉が少しずつ強くなっていく。


「報告があったと言っているだろう」

「で、どうだ、実際に見てみて、悪魔に乗っ取られているのか? 操られているのか? お前達の目から見てどう思うんだ?」

「従者や我々を気遣った、聖女らしい聖女だと思った。だが、それが悪魔の策だということを否定しきれない」

「まあ、そうだろうね。僕らが悪魔じゃないって言って、信じてもらえるかって言うとね、信じてもらうしかないんだけど」


 優香は、ふぅ、とため息をついた。

 恵理子は、倒れている騎士達を見回す。


「ねえ、これからどうするの?」

「我々はもう動けん」

「僕らは、ノア・グローリー枢機卿と一緒に、聖女が生きていることを示しに王都へ行く。お前達は、それを見たくないか? 確認したくないか? お前達のために涙したあの聖女を信じたくないか?」


 優香がそう教会騎士団長に提案する。


「……信じたいと思う」

「俺も信じたい」

「だが、我々はもう馬車について行くだけの体力がないのだ」


 優香は恵理子と視線を合わせる。

 無言でうなずいた恵理子は、倒れている騎士達の真ん中へと歩みを進める。


 そして、両手を広げ、声を上げた。


「エリアヒール!」


 恵理子を中心に光の粒子が舞い上がり、風に流されるように広がっていく。

 広く広く。光の粒子が倒れている騎士に到達するや、騎士の体が淡く光り、体力が回復していく。怪我が治っていく。

 その粒子は、二人の騎士団長へも到達する。

 騎士団長達もその体が光り、体力が回復する。


「こ、これは?」

「まさか、治癒魔法か? 体力を復活させ、怪我をも治す……」

「しかも、全騎士を一度に? 直接触れずに?」

「そんなことがあり得るのか? できるのか?」


 その幻想的な光景を目を見開いて眺めていたロージア。

 聖女ロージアですらも言葉を発することが出来ない。

 何なんだ、この治癒魔法は。私は知らない。私はできない。何が起こっているんだ。


 魔法をかけ終わった恵理子が、優香の下へと戻ってくる。


「終わったわよ。さ、もう立てるでしょ。動けるでしょ、走れるでしょ」


 恵理子に声をかけられた騎士団長は、手を握ったり開いたりを繰り返す。

 そして、肩を回し、立ち上がって屈伸もする。


 動ける。

 体力が戻っている。

 走ることが出来る。


 だが、あれだけの戦闘を行って、まだ走らせるのか、この女は。

 いや、奇跡を見せた、この女こそまさか聖女か?


 騎士団長が恵理子に声をかける。


「もしかして、あなたも、あなた様も聖女様ですか?」

「違うわ。貴方達の聖女はそこにいるでしょ。私は、あなた達を殲滅しようとした。聖女なんかじゃないわ。貴方達を守ったのが誰か、わかっているんでしょ」

「し、失言でした。そうです。私達の聖女は、ロージア様しかおりません」


 恵理子の奇跡級の魔法を見て、判断を誤ったようだ。


 両騎士団長が騎士達の方へ向かって歩く。


「皆の者聞け! 我々はこれから聖女ロージア様を王都へとお連れする! 気合を入れろ!」

「「「おー!」」」




「よし、出発しよう」


 優香が声を上げる。


「ほら、ロージア、あなたは少しでも寝なさい。少しでも魔力を回復させなさい」


 恵理子がロージアの腕をとって立たせる。」


「はい」

 

 もうすっかり日も落ち、暗くなっている。しかし、王国騎士団を先頭に、一行は進む。教会騎士団は、優香達の馬車を取り囲んで警護をしながら進む。




「教皇様! 教皇様!」


 真夜中に、教皇の部屋のドアがたたかれる。


 ドンドンドン


「なんだ、やかましい、何が起こったのだ。深夜ではないか」

「はい、カヴァデール王国女王の馬車が街の北門に現れ、開門を求めています」

「夜中なのにか?」

「はい。ちなみに、ノア・グローリー枢機卿の馬車、王国騎士団、それから、教会の第一および第二騎士団が同行しております」

「な、なに? 教会騎士団も同行して帰って来たと?」

「いかがいたしますか」


 こんな深夜に開門を求めるなど、いくらカヴァデール王国女王であっても礼儀がなっていない。対応する必要はない。

 しかし、教会騎士団が一緒に戻ってきた。どういうことだ。

 聖女を討ってきたのか? それとも……。


「わかった。通せ。王宮まで迎え入れろ。ついでに、残っている全教会騎士団をたたき起こし、王宮にてそいつらを包囲させろ」

「はっ!」




 優香達は、北門からシーブレイズの街に入り、王宮へと向かう。そして、王宮を囲む城壁の正面の門を通り、王宮の正面へと出る。


「ノア、騎士団長達に周囲を警戒させて」


 優香がノアに頼む。


「わかった」


 騎士達が剣に手を添えて歩いて行く。

 一応は何事もなく、ロージアを乗せたカヴァデールの馬車が王宮の玄関先に横付けされる。


 まず、優香と恵理子、リーシャとブリジット、そしてネフェリとリピーが馬車から降りる。

 次いで、ロージアとエヴァが出てくる。

 ロージアとエヴァは、優香と恵理子達の前に立つ。


 しばらくすると、王宮の玄関が開いた。


「一体何事だ」


 騎士を何人も連れた教皇が玄関から出て来て聞く。

 これに対し、エヴァが発言する。


「私はカヴァデール王国女王、エヴァンジェリン・カヴァデール。真夜中にもかかわらず、出迎え、感謝する」


 全く歓迎されていないが。


「我々は、貴国の聖女、ロージア女王を保護したため、急いできたところだ」


 教皇は、タロとジロを見て言う。


「お前達は悪魔なのだろう? お前達が殺し、操っている聖女の亡骸を連れてこられて、受け入れられると思うか? 者ども、やってしまえ!」

「ま、待ってください」


 ノアと騎士団長らが進み出て来る。


「教皇様、このお方は、本物の聖女様です」


 しかし教皇は、ノア達の言葉に耳を貸さず、第一第二を除く全教会騎士団、兵士達に命じる。


「教会騎士団! 聞いたか! グローリー枢機卿も第一第二教会騎士団団長も悪魔に魂を奪われ、操られている。この国に被害をもたらす前に、やってしまえ」



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