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転生(貴博と真央)-2

「貴博様、真央様、おはようございます」


 カオリンが二人を起こす。


「「ほぎゃ」」

「とりあえず、ミルクにしましょう」


 と、カオリンが貴博を、メイリンが真央を抱いて、哺乳瓶を咥えさせる。

 ミルクを飲み終わると、げっぷをさせられ、出るものが出たらおむつを代えられる。


 そこにグレイスがやってくる。


「「ほぎゃ」」


 グレイスは二人と手をつなぎ、日本語で話しかける。


「二人とも、おはよう」

((おはようございます))

「今日から魔力操作の練習をしてほしいんだけど、いつ何時でもやっていてほしい。例えば、これから語学学習として絵本を読んでもらうんだけど、そういうときも魔力操作の練習をしていて」

((はい))

「じゃあ、とりあえず、魔力ぐるぐるを僕がするね」


 グレイスは、貴博を抱き、魔力を注ぎ込むと同時に理想像を念じる。

 次いで、真央にも同じようにする。


「それじゃ、魔力操作。いい。魔力を感じてね」


 と、グレイスは二人に魔力を流し込み、大きくしたり小さくしたり。貴博から真央へ、真央から貴博へ。


「こんな風に、一人でも二人でも練習するんだよ」

((はい))

「それじゃ、ミルフェに絵本を読んでもらおう。もちろん、こっちの言葉でね。で、今日は僕の膝の上で見てて。その間、僕が君たちに魔力を注いだりぐるぐるをしたり、色々するから」

 ミルフェは絵本を用意し、読み始めた。




 時は進み、貴博と真央は六か月を迎える。

 グレイスの子供達二十人は、八か月になり、この頃になると、この子供達も自我を持ち始め、しかも、動き始める。

 貴博と真央もすっかり言葉を覚えたものの、まだ発することはできない。

 現状、知性という点では、転生した貴博と真央に軍配が上がるものの、体の発達という面では完全に負ける。




 さらに時が進み、貴博と真央が十か月になる。二人は、つかまり立ちで移動ができるようになる。

 一方で、グレイスの子供達は一歳となり、すっかり二足歩行で移動を始める。

 この時期の二か月の差はいかんともしがたい、と思うが、実際には、グレイスの子はすべて、神と天使の子である。能力で貴博と真央が勝てる要素は一つもない。

 グレイスの子供達も、グレイスから魔力ぐるぐるをされているのだ。しかも、天使である妻達からも。

 二人は、何とか食らいつこうと思うものの、現状無理。




 貴博と真央が一歳になった。


「パパ、お兄ちゃんとお姉ちゃんに勝てない」

「そりゃ、この時期の二か月は高い壁だよ」

「でも、追い付きたい。どうしたら?」


 真央がグレイスに聞く。


「その気持ちはいつまでも持っていたらいい。明日から、引っ越しだよ。お兄ちゃんとお姉ちゃんと離れるんだ。ま、時々は会えるよ」

「いつまでもって、追い付けないってこと?」

「そうじゃない。追い付きたいって思って頑張っていれば追い付けるってこと」




 翌日、貴博と真央は、アンブローシア帝国の帝都の屋敷にグレイス達と共にやってくる。


「貴博、真央、今日からここが君たちの家だ。とは言ってもまだ君らは一歳児。一歳児らしく屋敷の中で過ごしてほしい。とりあえず、訓練場があるから、一緒に遊ぼう」

 グレイスは、貴博と真央に遊びという名の体力づくりをさせた。



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