千里と桃香の訓練開始
翌日、千里と桃香がムーランドラ大陸東端の屋敷で目を覚ます。
「千里様、桃香様、朝でございます」
メイメイが二人を起こす。
「う、うん。おはよ、メイメイ」
「おはようございます。メイメイ」
「はい。おはようございます」
目を開けた千里はメイメイに確認する。
「えっと、天井が違うけど、ここどこ?」
「今日から十二歳まで、もしくは十五歳まで過ごしていただくお屋敷になります」
「そう。今日からここが私達の家ってこと?」
「はい。そうです」
「外にも出られる?」
「はい。ここであれば、外に出ていただいても構いません。外には、畑があり、農業について学ぶことが出来ます。それに、森林が近くに広がっていますので、魔物討伐訓練や野草、薬草採取の勉強もできます。さらには、海がありますので、海の生き物を漁獲することも可能です。何より、ビーチでは、思う存分特訓が出来ます。マーレ先生やターレ先生は、もう張り切っていますよ?」
「「……」」
「入るぞ」
「あ、ターレ先生」
「二人とも起きていたか。今日から、この地で君達の訓練を始める。と言っても、魔力操作の特訓と、寝る前の魔力放出は今まで通り。後は、体力づくりのために、ビーチで遊んだり海で泳いだりくらいだ」
「あの、あと十二歳までとか十五歳までとか言われましたが、それくらいここで特訓しないといけないってことですよね?」
「ああ、少なくとも十二歳にならないと仕事が得られないからな。ここを出ても、稼ぐすべがなければ、死んでしまうだろうよ。安直にここを出て、死を早めるよりは、しっかりと鍛えて、安全に友達を探したらいいんじゃないのか?」
「それまで待っていてくれると思いますか?」
「会うために来たんだろう? それに、相手だって、条件は一緒だ。いるならな」
「「はい!」」
「それでは、朝食を食べたら、今日はとりあえず散歩をしよう。この辺りに何があるのか、確認をしてもらわないとな」
こうして、千里と桃香の特訓も始まった。




