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第2章 第4話 大事にしていた


223/02/05 19:15

ギルドフォレストセイバー

地下訓練場

レイキ視点


「あはは。後悔なんてしないよ」

俺は、クレオイが言い終わると同時に。

いつも通りに遠隔で攻撃を放つ。

「見えてるよ」

2回3回と攻撃するが全て防がれてしまう。

「ホントに強くなったね」

余裕ぶるが。内心焦っていた。

こいつらがこんな簡単に、俺の攻撃をかわすなんてあり得ないからだ。

クリスタルの加護を受けたら強くなる。

そうだとしても強すぎる。

「だったらクエストに行かせろ!」

距離を詰められて。

向こうから攻撃を仕掛けられる。

「それとこれとは話が別」

剣を弾き。再び距離をとる。

「だったら痛めつけるだけだよ!」

マジで調子に乗んなよ。

力を手にしたから。強くなったと勘違いしやがって。

本当に昔の俺と同じだな。

似なくて良いところだけ似やがって。

「あーあ!」

溜息を1つ吐き。

「氷の力よ俺を守れ!アイスヴァースト!!」

能力を強化して速攻で方を付けよう。

力の差を思い知らせないとね。

「光の第7魔法『ホーリー』!!」

光の光線が2人に突き刺さる。

「なんだ大したこと……」

俺は愕然とした。

確かに攻撃は当たったはずだが。

「なにこれ、ちっとも痛くないんだけど」

全くダメージを与えられていなかった。

「どういう事だよ。まさか!」

フェニックスの力なのか?

やっぱり2人にも遺伝していたか。

そんな片鱗を見たことが無かったので驚いた。

ならばと俺は、クリスタル王蛇を床に突き刺し。

「スネークスプリット!」

床から9匹の蛇を召喚し。それぞれがクレオイを襲う。

「遅いね」

宙に舞いそれも呆気なくかわされてしまう。

動きが全然違う。

アミュレットデバイスのお陰なのか。

2人が融合した事で力が増してるのか。

いや、その両方だろうな。

どうしたら良い?

攻撃しないとこっちがやられる。

しかしクリスタル王蛇での攻撃は、最悪2人を殺しかねない。

なるべく、かするように狙う。

そうすると今みたいに簡単にかわされる。

「今度はこっちの番ね」

俺が悩んでるのに気にせずに、攻撃を仕掛けようとして。手にしていた武器を変形させ。

俺に見せつける様に構える。

迂闊だったな。

この2人は俺の娘でもあるんだ。

ミプリヴァリナーの力も受け継いでいたんだな。

クリスタルの加護を受けた事によって目覚めたんだろうな。

なんで誰も教えてくれないんだよ。

「凄いよねこの武器!流石ママよね!」

嬉しそうに言いやがって。

本当ならその武器は、俺が貰うはずだったんだ。

ミナがクリスタル王蛇より良いもの作ってるって。

最高の笑顔で言ったんだよ。

それをこんなクソガキに使われて腹が立ってきた。

「返してもらうぞ!」

空間転移で背後を取り。

多少強引だが。斬りつけて武器を奪おうとした。

「見えてるんだって!」

「なにっ!」

クルリと振り返られ。

そのまま俺の腹部を斬りやがった。

「ぐはぁ!」

氷を身に纏っていたおかげで。少ないダメージで済んだが。床へ落ちてしまう。

「なんだ、弱いじゃん」

不敵に笑う娘達。その右手に魔力を込めて魔方陣を展開させる。

「デスフレイム!」

漆黒の炎が俺に襲いかかる。

マズイな。このままじゃやられてしまう。

「アイスシールド!」

氷の盾を展開させるが。

割とあっさり砕かれてしまった。

アイスヴァースト中の俺は、魔法が得意になるのにだ。参ったよホントに。

出来れば魔法だけで戦わないといけないのにな。

魔法が直撃したので、俺は倒れた。

かなりの威力だった。

死んでもおかしくない。

普通なら死んでもおかしくない。

そんな威力の魔法だった。

「あははは!パパに勝ったよ!」

嬉しそうな声が聞こえる。

2人が床に着地した音が聞こえた。

トタトタと俺に近づいていく。

「ねぇ、参った?」

「……」

俺は何も答えなかった。

流石に降参しよう。

打つ手がなさすぎる。

「なんだつまらないな、もっとこの力見せたかったのにな!」

腹部を思いっ切り蹴りつけられる。

「グハッ!」

ミナでもこんな酷いことしない。

いや武器で斬ってるからミナよりマシかな。

「嬉しそうだね。ママにいつもやられてるからかな」

どこが嬉しそうなんだよ。

全身が痛いんだけど。

「この力が有れば。世界中のみんなを殺せるね」

それは流石に駄目だろ。

その力をどうするって?

そんな事を考えるなんて。

ミナが悲しむだろうが。

駄目だな、育て方を間違えたな。

誘拐が怖くて学校に行かせなかった事。

俺がもう少し2人と話をする時間が有れば良かった事。

ああ、後悔しかないな。

俺はなんとか立ち上がり。

「ミプリヴァースト!!」

ミプリヴァリナーの力を最大限に引き出す。

連続で能力強化を使うと。

体にダメージが残るが知るかよ。

この2人。……いや化物を停めないと。

「まだやるの、ならこっちも」

2人も俺と同じように能力をあげる技を使った。

「マジかよ!」

「今度こそくたばれ!」

近距離ノーチャージでソードショックを放たれる。

だが俺も、なんとか空間転移でかわし。

転移をしながら、魔力をクリスタル王蛇に注ぐ。

アミュレットデバイスのおかげかな。

いつもよりも空間転移の速度が速く感じる。

「攻撃しないの?」

それでも防戦一方だ。

こいつらどんだけ強いんだよ。

もうただの化物だよな。

「油断すんなよ!」

慣れない回し蹴りを放つが。普通に避けられる。

その間にも魔力をクリスタル王蛇に注ぐ。

「お前がだよ!」

「グハッ!」

足を斬られてしまう。

幸いにも傷は浅い。

「マジで殺すからな!」

敢えて俺は、クリスタル王蛇を手放し。

ぶん殴りに行く。

隙さえ作ればこいつらを倒せるからだ。

「どうして武器捨てたの。ふはは!そんなに死にたいの?」

舐められたもんだな。

クレオイも武器を使わずに拳で俺を痛めつける。

顔にクリーンヒットしてしまうが。

関係なかった。

油断したクレオイの背後から、クリスタル王蛇を出現させ。

「喰らいつくせ!クリスタル王蛇!」

俺のミプリヴァリナーの能力は空間を操る事。

ミプリヴァリナーはミプリヴストーンで作られた武器を使用中でのみ。その力を発揮する。

「王蛇の宴!!」

意識の外から来た攻撃だ。

流石に避けられまい!

振り返り止めようとするクレオイだが。

当然間に合わなかった。

「きゃああ!!」

クレオイを喰らう9匹のヘビ達。

どうして手放しでも発動出来たって?

俺の身体の一部に、ミプリヴストーンが使われてるからだよ。

タネを明かせばそういう事だ。

「痛い、痛い!なんで、どうしてすぐに傷が治らないの。僕らは、フェニックスの力を手にしてるのに」

どうやら傷が自動的に治らないことに驚いているようだ。

「フェニックスは、ミプリヴァリナーの力で殺せるんだよ!」

痛がるクレオイにゆっくりと近づく。

トドメを刺すためだ。

「待って、待ってよ!」

慌てるクレオイ。

「もう負けだから。謝るから許して」

と言い。俺に近付いてきた。

「ごめんなさい。調子にのりました」

素直に頭を下げて謝るクレオイ。

だが。

2人の身に纏うアミュレットデバイスが輝き出した。

何処かで見たことがある光だ。

顔をあげたクレオイが。

完全に狂った顔で俺に言った。

「これで死ねえ!」

思い出した。前にミナが使った自爆だ。

「くっ!アイシクルシールド!」

咄嗟に後に回避し。

今までよりも、一層分厚い氷の盾を展開して。

その爆発を防ごうとする。

しかしその威力は凄まじく。

盾が割れた。

「ぐぁああ!」

ダメージは軽減出来たが。

身体中が痛い。

なんとか立ち上がると。

クレオイは黒焦げで倒れていた。

俺はクレオイの元へと歩き。

「こんな物を使うからだよ!」

吹き飛んだ。アミュレットデバイスの核の部分をクリスタル王蛇で破壊しようとした。

しかし弾かれたので。

それをそのまま放置し。

2人の元へと駆け寄った。

「大丈夫か」

手を伸ばして。2人の安否を確認しようとする。

すると俺のアミュレットデバイスが邪悪に光る。

「なんだこれ。……うっ!」

頭が痛い。

前にもあったな。

どういう訳か。俺がアミュレットデバイスを使おうとするといつもこうなる。

ダメージの影響なのか。

心の状態が悪いからなのか。

分からない。

だけど今。

無性に誰かを、いたぶりたい。泣かせたい。無ぶりたい。ぶち殺したい。

そして俺は、クリスタル王蛇を手元に呼び寄せ。

「死ね」

クレオイの身体を貫かせる。

「ぎぃいやぁ!!!」

痛みで意識が戻ったのだろう。

凄い断末魔を上げる。

俺は楽しくなって来た。

「もっといい声で鳴けよ!」

また振りかぶり。もう一度攻撃をしようとしたら。2人は、元の姿に戻った。

ただ傷はそのままである。

「なんだよ。もう終わりかい?」

その2人の間に武器を突き立てる。

「だ、誰か、た、助けて」

クレアが這いずって逃げようとしてたので。

「どこに行くの?」

俺は空間転移を使い。頭の上に跳び乗ってやった。

「ああああああ!」

酷い声だな。

ミナに似てるけど。ただのクソガキの声。

「逃がすわけ無いだろ」

痛みに耐えてるクレアを掴みあげ。

床へ打ちつける。

「ぎゃああ!痛っ、痛いよぉ!辞めてぇ!」

昔の話だが。ミナにも同じ事されたな。

俺は思い出しながら。クレアを痛めつけた。

クレアも。最初の内は、辞めてと言っていたが。

数回繰り返すと黙ってしまった。

「……」

やがて反応もなくなり。つまらなくなった。

そのクレアを蹴飛ばして。アオイの方に視線をやる。

「次はアオイだね」

「や、やめ」

何してやろうかな。

そうだミナにされた事を、こいつにやれば良いんだ。

幸い。アオイの顔はミナに瓜二つだ。

瞳の色は俺譲りで水色だが。

目を閉じれば、少し大きいミナだよな。

「おいおい。お前まだ、お漏らししてるのか」

アオイが座っていた所に、水溜りが出来ていた。

「そんな悪い子にはお仕置きだな」

「い、いや!辞めて!」

アオイの髪を掴み思いっ切り腹部をぶん殴る。

「かはっ!」

ああ。ミナに似てるなホントに。

アイツもこんな顔するんだろうか。

考えただけでゾクゾクしてくる。

苦痛に悶えるその顔。

愛するミナに似てるから良い。

ミナには絶対出来ないし。したくないが。

アオイになら平気で出来た。

段々と楽しくなって来て何度も殴る。

「ゔ、ゔぉえ」

何回殴っただろうか。

アオイはゲロを吐いた。

「きたねぇな」

そのゲロの所に叩きつけたあげた。

「やぁっ!」

アオイは、ミナに似て可愛い声だな。

顔だけじゃないな。嬉しいぜ。

もう一度その声を聞きたくて。思いっ切り蹴る。

「ぁ」

打ちどころが悪かったのだろうか。

理想の声が出ない。

「ならここかな」

再度蹴りを入れようとしたら。

クラっとした。

恐らく魔力の使いすぎによるものだ。

能力強化も解き。アミュレットデバイスを停止させ。魔力の消耗を減らす事にした。

すると、目の前の光景に違和感を覚えた。

「な、んで。俺は、ここまで」

明らかにやりすぎてる。

自分の娘だ。

なのに何故殺そうとしてしまったのか。

理解が出来なかった。

「おいっ!お前らしっかりしろ!」

グッタリとしたアオイを抱きかかえる。

そしてこのタイミングで。

訓練場の扉が開かれた。

「何をしてるのですか!」

ミナの声が聞こえて来て。

違えば良いと思い。

振り返るが、やはりミナが居た。

可愛い顔じゃなく。

真剣に怒った表情でこちらに向かってきた。

どうしよう。なんめ言い訳をしようか。

「なぜ、2人が傷だらけなのですか?」

刀を手に取り、俺に向けた。

「ま、待って。違うんだよ。これには、理由が」

俺が必死に弁明をしているとアオイが。

「マ、ママ、……助けて。パパに……パパに、僕達、殺される」

その声を聞いたミナが。

「どけぇ!」

俺にタックルをして。アオイから引き離れさせられた。

「もう大丈夫ですよ。」

アオイに回復魔法をかける。

「クレア。しっかりしてください」

クレアにも回復魔法をかけ。

「ミナへの当てつけですか!こんな酷いことをして!この子達が死んだらどうするのですか!」

ミナが俺を睨み見て言ったので。

「当てつけなんかじゃない」

俺は正直に話した。

「そうですか」

クレアの回復を途中で中断し。

ミナがゆっくりと俺の方へ歩いて来た。

「わたくしに出来ないからって……こんなの、こんなの!」

ミナの目つきが変わった。

そして。

クリスタル王蛇を持つ俺の右腕が吹っ飛んでいった。

「いぃだぁああああ!」

「死んじゃえよ!」

追撃の一撃が俺を襲い。

俺はぶっとばされる。

「大嫌い!もう大嫌いよ!」

ミナに1番言われたくない言葉だ。

「どうしてこんな、こんな」

俺のせいで泣いてしまうミナ。

「もう大丈夫ですから。お願い死なないで」

目を覚まさないクレアに、必死に回復を施すミナ。

俺はその隙に、斬られた腕に氷を張り。止血をする。

「待て、俺もこうしないと」

流石に俺も回復させて欲しい。

本心から殺したい訳がなかったんだ。

ミナと俺の娘だ。

大事にしない訳が無いのに。

「娘を手にかけようとするなんて!」

俺の願いは虚しく。

「ぐはぁっ!」

ミナの刀が腹部に突き刺さる。

抵抗したいが。

戦闘のダメージや疲労でなにも出来ない。

もう魔力も殆どない。

「最低!!地獄に堕ちろ!」

ミナからトドメの一撃を喰らう。

「み、…な」

最期に触れたくて。ミナに手を伸ばすが。

その手は届かなかった。







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