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第1章 第21話 光の国へ

223/01/12 08:30

ギルド フォレストセイバー

ギルド長室

アイカ視点


いつまでもレイキさんが呼んでくれないと。エリスが不満そうに言うので。

こちらから行くことにした。

ノックをしようとすると。

中からミナさんとレイキさんの声が聞こえてきた。

「ケンカですかね?」

「そうみたいだな」

良く聞こえないが。

ミナさんが泣き叫んでる様にも聞こえる。

「また後にしようか」

と俺が言ったのに。

「失礼します」

と勝手に入っていった。

「ちょっエリス!」

中に入るとミナさんが泣きながら床を転がっていた。

「なにがあったのですか」

俺の声に気付いたのか、ミナさんは慌てて起き上がり。

「あら、おはようございます」

といつもの雰囲気に戻った。

「いやいや誤魔化せないだろ」

と呆れ声のレイキさん。

「本当になにをなさっていたのです?レイキさんは手錠掛けられてますし」

「本当だ」

俺達が気付くと、さもなかったかのように手錠を外しに行くミナさん。

「えーと。聞かないで下さい」

と俯きレイキさんの隣に座る。

「簡単に言うとエリスのせいでこうなった」

「私ですか!」

驚くエリス。

「そうだよ。お前がここに入る時に、俺の秘密をミナにバラすなんて言わなければな」

俺は何の事を言っているのか分からない。

「まさかと思いますが。話したのですか」

レイキさんは、こくりと頷いた。

「また夢と違う」

口に手を当てて絶望的な顔色になるエリス。

「本来ならいつバレるんだよ……まあ良いや」

「良くありません!」

ミナさんと。エリスが同時に発した。

「ったく。知らねーよ。それにさ」

俺の方をチラッとみて。

「アイカが困ってるだろう。何のことか説明出来ないから」

「そんなの言えば良いじゃないですか」

エリスが言うと。

「口封じって言葉知ってる?」

レイキさんがたまに見せる鋭い目つきに変わった。

「クレアとアオイに心配かけたくないんだよ。……あいつらの為なら俺は」

ゆっくりと。エリスの元へといく。

「ちょっレイキさん!」

ミナさんが止めようとするが。

そのまま近付いてくる。

「死にたくなったらバラせば良い。生きたいのなら。アイカにも言うなよ」

と冷たく言って。

「は、はい」

エリスは震えながら頷く。

そしてレイキさんは、そのまま部屋を出ようとした。

「どこに行くの」

流石にそれは、ミナさんが止める。

「どこってトイレだけど」

「あらそうですか。わたくしも行きます」

「なんでだよ」

「だって帰って来ないかも知れないじゃない」

と俺達の前だと言うのに、甘えた声になるミナさん。

「やだやだ。一緒に居てよ、居てくれないとやだぁ!」

見た目の幼さと相まって本当に子供みたいだった。

「恥ずかしくないの?」

「知りません!知らないから」

腕を引っ張るミナさん、溜息を深く吐くレイキさん。

「それなら、入口の前で待ってて。どこにも行かないから」

と言ってようやく2人は外へ出た。

「なんだったの」

俺が言うとエリスは、

「私が見てた未来と違いすぎる」

ぺたりと床に座るエリス。

「大丈夫か?」

「なんでこんなに変わってるの?なんでどうして?」

ぶつぶつと呟くエリス。

どうやら俺の声は届いてないらしい。

「このままじゃあ私」

5分程してレイキさんが。ミナさんに腕を組まれながら戻って来た。

エリスは2人が戻るまでそのままだった。

「どうしたエリス?」

「なんでもないです」

「さては未来が代わりすぎてて、また落ち込んだんだろう」

「そうですがなにか」

少しイライラしてるのか。エリスにしてはぶっきらぼうに答える。

「まあ怒んなって。普通は先のことなんか分かりっこないんだからさ」

「そうですけど」

「ならあまり落ち込むなよ」

「分かりました」

と言いつつ不満そうなエリス。

「さっきエドと話したけど。本当に王女の地位を捨てたんだね」

朝話していたことだ。

「はい」

まだ元気のないエリス。

「このギルドで面倒見るけどな。旅が終わったらクエストとか受けるんだよ?その覚悟はあるのか?」

「私だって戦えます」

嘘だ。

俺は1度もエリスが魔物を倒してる所を見ていない。

「私はサポーターですから」

心を読まれたのか、俺に言った。

「サポーターでも最低限自衛は出来るようになっていた方がよろしいですわよ」

ようやく腕を離して、ミナさんが口を開く。

「分かってますわよ」

「なら良いさ。今後もよろしくな」

「はい」

という会話があり。

「ついでに言うけど。明日からまたクリスタルの加護を受けに行ってもらうからね」

ついでにに言う内容でも無いが。

俺も早く強くなりたいから。

分かりましたとだけ言った。


223/01/12 15:00

ギルド フォレストセイバー

アイカの部屋

アイカ視点


俺が珍しく部屋で本を読んでいると。

ドアを勢いよくノックされた。

誰だろうと思いながら扉を開けると。

ナミさんが汗だくで立っていた。

「急いで今から出るから!」

「えっ!」

「良いから早く」

腕を掴まれそのまま外へと連れられる。

「ちょっとなにが」

よく見るとナミさんは腹部から血を流していた。

「怪我してませんか?」

「ああこれね。後で説明するから」

「ちょっ!」

ギルドの外に停めてある魔導車まで連れられた。

「乗って」

言われるがまま乗り込むと。

レイナとエリス。それに双子が乗っていた。

「なにが起きて」

「良いから捕まっててね」

そう言って猛スピードで街から出る。

「まぁてえ!」

赤い翼を生やしたミナさんが追いかけてきた。

「マジでなにがあったんですか?」

「ちょっとからかって。レイキにキスしただけだよ」

そりゃあ怒るだろうな。

「ママ怖いよ」

後で怯える双子。

「ミナ姉ぇ。ガチギレだよ」

「それでどうして私たちも巻き添えになってるのでしょうか?」

エリスが聞くと。

「レイキが言ったんだよ。俺が抑えておくから。今からみんなを連れて国外へ行けって」

これで追いつかれたら。とんだとばっちりだ。

「ミナさんは僕らが乗ってること知ってますよね?」

少し間をおいてナミさんが、

「さぁね?」

さぁねって。

おいおい。

と、まあ一悶着あったがなんとか無事に国境手前の町「エタノルフ」まで来れた。

「速かったね。普通はここまで2時間かかるのにね」

時計を見たらまだ40分しか経っていなかった。

「どんだけ飛ばしたと思ってんのよ」

と疲れを見せるナミさん。

「これどうぞ」

エリスがナミさんに水筒を差し出す。

「ありがとう。……まっずぅ!なによこれ!」

飲んだ瞬間に口から吐き出した。

「ちょっとナミ姉ぇ大丈夫?」

レイナがハンカチを渡し。それで服をふく。

「けほっけほっ!なんなのよこれ。かなりマズイんだけど」

「スノードールの時の余りですよ」

いやいつのだよ。

「腐ってたわよ」

と怒るナミさんに、

「あらら。じゃあ捨てなくちゃいけませんね」

と軽く返すエリス。

「そんなもの取っておくなよ」

俺が言うと。

「だって勿体ないじゃないですか」

真顔で返されたので。

「そうだけどさ」

やっぱりエリスって少しズレてるよな。

「なんか飲み物無いの。口の中地獄なんだけど」

「エタノルフで休憩しないの?」

「あー。出来たら早めに光の国に着いておきたいのよね」

「どうして急ぐんですか?」

「いや、育ててる薬草の世話とかを、誰にも頼んでないからだよ」

「知らないですよ」

「えー。知っててよ」

と膨れた顔で言われてもですね。

結局俺達は、一度エタノルフでアイテムを買うついでに休憩をする事にした。



223/01/12 15:30

ギルド フォレストセイバー

セプテ家の部屋

レイキ視点


ナミを追いかけていったミナが戻って来て。

一度冷静に、話をする為に部屋に戻った来た。

「イライラします」

隣に座るむくれた顔のミナに。

「紅茶でも飲むかい?たまには俺が淹れるよ」

と言い。席を立とうとすると。

「離れちゃいやです」

腕を引っ張られたので仕方がなく座る。

「今日は、やけに甘えるね」

「だって死んじゃうんでしょ!」

とうるうるとした瞳で言われる。

「実際に死ぬかどうかは分からないんだよ」

と俺が言うと。

「そうなのですか」

一瞬で元の瞳に戻る。

「ミシディアが言っていただけでさ。俺自身もピンピンしてるし……ほらあれだよ。実際どうなるかなんて分かりっこないんだからさ」

ミシディアとはミナの父親の事だ。

だけどそう言っていたのは、ミシディアだけじゃないがな。

「ミナより先に死んじゃ嫌だから」

これがいつも俺を殺してる女の子のセリフです。

それならもう少し大事にしてよと。

ワザと怒らせてる俺も大概だが。

「いつも殺してるのに、よく言えるよね」

俺が意地悪を言うと。

「なんでそんな事、いうのぉ!」

とまた泣いてしまう。

「だって事実だよ。俺の事殺すって言って。いつもメッタ斬りにしてさ」

俺が意地悪を継続していると。

「決めました!」

涙を服で拭い。

「闇の国に行く」

「は!」

唐突に……いや当然なのかな?

強い眼差しでハッキリと言われてしまう。

「闇のクリスタルの加護を貰ってきます」

「ちょっと待てよ。どうしたいきなり」

「いきなりじゃありません。ミナは早くこの呪いをなんとかしたいんです」

「気持ちは分かるけどさ」

「レイ君だって嫌だよね。ミナから殺されたくないよね?」

そりゃあそうだけどさ。

「別に俺は構わないよ」

「ミナが嫌なの!」

と抱き着いてきた。

「レイ君のバカ!」

まるで子供みたいなミナ。

「アミュレットデバイスの調整の仕事はどうするんだよ?」

「そんなのは後でいいです」

「良くねぇだろうが」

「レイ君を傷付ける方が問題です」

そうだけども。

実際ミナを怒らせた俺が。

今回に限ってはナミが悪いんだけど。

「レイ君の事になると、冷静じゃ居られなくなる自分が嫌いです」

そんなミナを俺は好きなんだけどな。

「ははは。本当に俺の事好きなんだな」

頭を撫でてあげる。

「好きに決まってますわよ。好きで大事で」

少し間を開け。

眼光鋭くして。

「ミナだけの物になればいいのに」

すでになってるんだけどな。

「今から行きますから」

「ちょっと待て」

腕を掴んで止めようとしたが。

「止めないで下さい!」

すぐに振り払われてしまう。

「だから待てよ!」

もう一度腕を掴んで。

「俺も行く」

「あなたこそ仕事があるんじゃないですか?」

「ナハに任せるから待ってて」

「また勝手に」

どっちがだよ。

「俺を置いていったら居なくなるからな」

ミナは頭を抱え、しばらく考える。

「わかりました」

そうと決まれば連絡をしないとな。

手続きはエドにぶん投げて。

ナハにも頭を下げて。

それで良い。

ミナを1人で行かせるわけには、いけないから。

本当ならエリスの件でフェニックス城に向かい。

直接エドに話を聞きたい所でもあった。

けどミナを優先する。

この子は1人にすると危ないからな。


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