第1章 第 18話 ギルド内対抗戦4(26/01/22改稿)
223/01/11 11:00
ギルド フォレストセイバー
ギルド地下のバトル会場 控室
ミナ視点
「負けてしまいました」
そう、うなだれるラミサさん。
「気にすんな。次だ、次があるだろう!」
頭を撫でサミサさんが励ましていた。
「これは意外でしたわね」
わたくしが言うと。申し訳なさそうな顔をしたサミサさんが。
「ミナ。悪いなウチの妹が」
「気にしないでください。わたくしが勝てば勝ちですからね」
柄にもなく。ヨシッとガッツポーズを取ってると。
後ろからリリアさんがのんびりとした口調で。
「そうだな。相手が旦那じゃないから楽勝だよな」
「レイキさんよりは、わたくしの方が強いですわ!あんな人に負ける人居るんですか?」
と余計な事を言って。しまったと思ってお姉様の方を見ると。
「ぐすん。酷いよミナ。お姉ちゃん頑張ったのになぁ」
体育座りでいじけてしまった。
「ああ。申し訳ございません。そんなつもりは無かったんですが」
「別に良いよ。ミナはアタシの事嫌いだもんね」
遠い目をしてるお姉様。
終いには顔を下に向けて上げてくれなかった。
ジト目でリリアさんが私を見て。
「あー。ミナのせいで、ナミがいじけた」
それに続いてサミサさんも。
「今のはミナが悪いな」
「本当にごめんなさい。気に病まないでください。ほらお姉様、顔を上げてください」
「なーんて嘘よ」
とニコニコ笑顔でわたくしに言った。
「辞めて下さいよぉ。焦りましたわ」
「あははは。ごめんごめん。ミナが可愛くてついからかいたくなるんだよね」
「もう。お姉様ったら」
「ほらもうそろそろ出番だよ。頑張ってきてね」
「ありがとうございます」
皆さんに見送られ。会場へ向かう。
「それでは第4試合。女性チームミナ・セプテ。男性チームシルヴァ・アジャンテ。入場してください」
効果音が流れ。アナウンスが掛かる。
わたくしが会場に入るとシルヴァさんもこちらへ向かう。
「ミナ。今日はよろしくな」
手を差し出されたので握手をする。
「ええ。よろしくお願いします」
「意外だな」
「何がですか」
「レイキ以外の手を握るなんてな」
「あら。これくらいは普通にしますよ」
「そうか」
それぞれの立ち位置に戻る。
効果音が流れ。その後アナウンスも流れる。
「それでは行きますよー!試合開始!」
お互いにアミュレットデバイスを取り出し構える。
「アミュレットデバイス『レッドウィング』起動!」
「アミュレットデバイス『シルヴァトリッキー』起動」
シルヴァさんが真白いトリッキーの装甲を身に纏い。槍を構える。
わたくしも刀を構える。
しかし困りましたわね。
リーチの差がありすぎて。どうしましょうか?
「来ないなら俺様から行くぜ!」
シルヴァさんが高く飛び上がり。
槍が白い魔力を帯びる。
「ホワイトストライク!」
槍の突きから魔力の波動が飛んで来る。
「フェザーシールド!」
アミュレットデバイスの翼を盾にして防ぐ。
今度はわたくしが、着地の際の隙を付く為に。刀に魔力を込める。
「ソードショック!」
狙い通りに斬撃波が着地する所に向かっていく。
「甘いぜ!」
槍を地面に突き刺しその衝撃でわたくしの攻撃を防ぐ。
「流石ですね」
「お前こそ」
「なら今度は魔法です」
両手に魔力を込め。赤色の魔方陣を展開させる。
「炎の第9魔法『ブレイズボルケイノ』!!」
火山の噴火の様な、炎の柱が渦を巻き飛び出す。
「アイシクルシールド!」
氷の巨大な盾を展開し防がれてしまう。
「これも駄目ですか」
「得意の刀捌きをみせてみろよ!」
「お望みどおり!」
少し屈んでから前に飛び出す。
その勢いを利用して斬りかかる。
「そうだ、それで良いんだ!」
シルヴァさんも槍で応戦する。
わたくしの刀を受け流した後直ぐに、槍が飛んでる。
それを刀の峰で受け流し。再度斬り掛かる。
お互いに手に魔力を溜めている。
隙を付いて技を放つためですね。
先に動きますか。
わたくしは少し距離を取るフリをする。
アミュレットデバイスの翼を切り離す。
「ウィングアロー!」
2つの翼がシルヴァさんに飛んでいく。
1つは防がれましたが。
もう1つは当たりました。
「ヴッ!ガラ空きだぜ!」
あろうことか。シルヴァさんは槍をわたくしに目掛けて投げてきた。
「しまっ!」
もう遅かった。左目に命中した。
「クッ!」
幸い脳まで来てなくて良かったですわ。
ふと目を男性チームの方へやると。
レイキさんが心配して出てきてくれていた。
「ミナ!大丈夫か!」
優しいですわね。いつもわたくしの事を気にかけてくれる。
あなたの両親を殺したというのに。
それなのにどうしてそんなに優しいのです。
わたくしは、辛いことがあると当たってばかりなのに。
「平気ですわ。戻って下さい!」
「けど」
「邪魔をすんなよ!親友!」
とシルヴァさんが吠えて。ようやく控室へと戻ってくれた。
まだ左目が痛いですが。
お陰様で隙が出来ましたわね。
翼が無くなり軽くなった分。動きが良くなる。
「武器無しでは勝てませんわよ!」
「それがどうした!」
刀で斬り掛かるが。拳で応戦するシルヴァさん。
何度かかすりましたが。
こちらはボディブローを2発貰ってしまう。
不覚ですね。
本当にこんな自分が嫌になります。
「いい加減、本気出せよ!」
回し蹴りを受けて吹き飛ばされたわたくし。
「あら。分かりましたわ」
アミュレットデバイスを敢えて停止させる。
この姿をあまり大衆の前で見せたくはありませんが。
仕方がありません。
レイキさんも本気出してましたので。
わたくしも全力で戦います。
頭から2つの角が生えて。
そして背中から赤い翼も生やす。
これが本来のわたくしの姿。
呪われたフェニックスの真の姿ですわ。
「それだ。それを見たかったんだぜ!」
氷を両手に纏いわたくしを殴り掛かる。
何度か避けた後に宙に舞い。
両翼を光らせる。
「羽根の錆にしてあげますね」
羽根を花吹雪の様に散らせ。全てがシルヴァさんへ向かう。
「秘技ミナザクラ!」
まあ桜はピンクなのですが。
赤くても良いでしょう。
大好きなレイキさんが「まるで桜の花びらみたい」と仰っていたので。
「ぎゃああ!」
倒れるシルヴァさん。
だけどこの人の力はこんなものではありません。
この隙に先程受けたダメージを回復してると。
直ぐに起き上がり。
「これだよ!これを望んでいたんだよ」
両手を握り腕を広げて。
まるで獣が吠えるような姿勢を取る。
「最高だぜ!」
シルヴァさんから魔力が溢れて出くる。
「回復魔法『ヒーリング』」
与えたダメージが全て元通りになる。
「これを受けて平気なのは貴方くらいですわよ」
「そうか。そうだろうな!」
素早く動き出し。
宙に居るわたくしの元へと飛び上がる。
「今度は俺様の番だぜ!」
白い魔方陣が展開される。
刀で振り払おうとしましたが。
低級魔法で阻害され。
「光の第9魔法『ホーリースプリーム』」
光の光線がわたくしを襲う。
かわせずに近距離で直撃した。
わたくしの属性は炎と風。そして闇の三属性。
光はわたくしに対して氷と同様に有効だ。
更にシルヴァさんは光属性。
なので当然、光魔法は得意なのです。
「うーん。はっ!」
地面に落ちてしまって。
一瞬ですが意識が飛んでましたね。
直ぐに切り替えて黒い魔方陣を展開する。
「闇の第6魔法『シェイドフレイム』」
黒い炎を広範囲に放つが。
「シャイニングシールド!」
光の盾で防がれてしまった。
やはり魔法では勝ち目がありませんね。
起き上がり。
刀を再び構えて飛び上がり。
刀に闇の魔力を注入する。
「ダーカースラッシュ!」
闇を纏う刀で光の盾を粉砕し。
そのまま斬りかかろうとした。
武器を持っていないはずのシルヴァさんが、槍を構えていた。
魔力だけで生み出したのでしょうか?
白銀の槍を手にしていた。
「シルヴァ!ストライク!」
わたくしの腹部にその槍が突き刺さり。
また地面へと叩きつけられる。
直ぐに起き上がろうとしましたが。
槍のせいで動けません。
「俺様の勝ちだな!」
着地後直ぐに来たのでしょう。
わたくし顔面スレスレに拳を向けられた。
「そのようですね」
わたくしは、素直に負けを認めた。
舐められたものですね、普通に殴れば……いや親友の嫁だからですかね?なんだかんだ良い方ですね。
「勝者シルヴァ・アジャンテ」
歓声が湧き。
シルヴァさんは、回復魔法を掛けながら。そっと槍を抜いてくれた。
血が噴き出しましたが、わたくしはフェニックスの力を持ってるので、これくらい平気ですわ。
それなのにレイキさんがすっ飛んできて。
「ミナ!大丈夫か!ミナ!」
凄く心配そうな顔をしてる。
今にも泣きそうな顔。
「平気ですわ」
「嘘つけ。……ほら、立てるかい?」
手を差し伸べてくれたので、喜んでその手を掴む。
すると引き寄せられて抱きしめられた。
「あまり無茶はしないでおくれ」
「あらあら。なら戦わせないでくださいな」
「それはそうだけどさ」
この会話の間に回復を済ませ、元の姿に戻る。
「嬉しいですわ」
わたくしは何故かしたい気分でしたので。
レイキさんに軽くキスをした。
観客達が黄色い声援を送ってくれましたわね。
そういえば皆さんに観られてるのを忘れていましたわ。
「目はちゃんと見えてる?傷はもう平気か?ちゃんと後で検査してもらえよ」
「平気ですって」
またキスをする。
「公衆の面前でイチャつかないで下さい」
シアさんに注意を受けてしまう。
「名残惜しいが。続きは後でな」
「そうですね」
そう言いましたのに。
レイキさんは、わたくしをお姫様抱っこする。
「恥ずかしいですわ」
わたくしを無視して、そのまま移動を始めた。
「少し我慢して。無理はさせたくないから」
呆れた表情でシルヴァさんが。
「閉会式どうすんだよ」
「このままやるさ」
「そうかい。勝手にしな」
その言葉通り最後まで。
わたくしは、レイキさんの腕の中だった。
恥ずかしかったですが。
同時に嬉しかったです。




