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第1章 第13話 しばしの安息

223/01/7 18:00

アイシクルタウン

宿屋

アイカ視点


宿屋に荷物を預けた後。

レイキさん達はお世話になった孤児院の院長に会いに行った。

俺もどうかと聞かれたが。流石に疲れていたので断った。

ベッドで横になって1時間が経とうとしていた。

「シャワーでも浴びるか」

流石に動いたままだと汚いと思い。

部屋に備え付けられてるシャワールームに向った。

シャワーを浴びてると誰かが部屋に入って来たようで。

レイキさんが戻って来たと思っていた。

シャワールームの脱衣所の扉が開いた音がしたので。

「スミマセン。先に使ってます」

そう俺が答えたが。

返事が返って来なかった。

「誰ですか?」

もしかして侵入者か?

とも思ったが。

すりガラス越しに服を脱いでるのが分かった。

というか。すりガラス越しでも分かる。

女の子だ!だって胸が膨らんでるもん!

「いやスミマセン。入ってますんで」

俺が慌てて言うが。

外の人物は気にせずに服を脱ぎ続け。

バスタオルらしい物をを身体に巻いていた。

ヤバい。とりあえず隠さないと。

洗面器で股間を隠し。

ドアが開くのを息を呑んで待った。

「やあ」

と言いエリスが入ってきた。

「ちょっ」

それしか言葉がでなかった。

いやコイツ何してるの?

ていうかなんで居るの?

頭が外に降り積もってる雪のように、真っ白になった。

「頭洗ったげますね」

ニコッと恥じらいもせずに笑顔のエリス。

「いや。良いよ」

昼間にレイナ達が言っていた事を思い出した。

コイツ服の上からだと分からないけど。

結構胸有るんだな。

「遠慮しないで良いですよ。さあさあ。しゃがんで下さい」

そう言われ。目のやり場に困ったので仕方がなくしゃがみ、エリスに背を向けた。

「先に言っておきますけど。私に触れたら後でレイキさんに襲われましたって言いますからね」

じゃあ入って来んなよと心の中で言い。

鼓動が早くなる心臓を抑えてつけていた。

「恥ずかしがってますね。うふふ可愛いですね」

「うるせぇ」

「頭濡らしますね」

「分かった」

と答えたら水をかけられた。

「冷たっ!」

「ひゃっ!」

冷水に驚いて腰を抜かしたのがいけなかった。

俺はひっくり返ってしまった。

「あっ」

バスタオルの隙間から、女の子の安易に見てはいけない物を見てしまった。

レイキさんに拾われる前の記憶が無いとはいえ。それがどういうものなのかは俺の記憶の中にちゃんとあった。

ついでに俺も見せていけないものを見せつけてしまった。

顔を真っ赤にするエリス。

「どこ見てるんですかぁ!」

と言い、冷水を顔に浴びせられた。

「びゃびゃびゃ!ごめん!ゴホッ、ごめんって!」

水を遮るために顔を手で覆い隠した。

「は、早く起き上がってくださいよ!」

なら先に水をかけるのをやめて欲しい。

なんとか自力で起き上がり。

次はちゃんとあぐらをかき。倒れないように座った。

「ごめん。な、なにも見てないから。うん。本当になにも見てないからな」

明らかに嘘である。

「な、なら大丈夫ですね~」

明らかに声が震えていたが。

そのままお湯に切り替えてもらい。頭を洗ってもらった。

その間は無言だった。

「じゃあ先に出てますね」

「お、おう」

いったいなんだったんだろうな。

本当に訳が分からない。

身体を洗ってシャワールームから出ると。

エリスがベッドにちょこんと座っていた。

「やあ」

この挨拶なんだろうな。

「まだ居たのか」

俺が言うと顔を膨らませ

「いちゃ行けないんですか」

と不満そうに言われた。

「別に良いけどさ。どうしたんだよ」

俺が聞くと、エリスは顔を近づけ。

「別に理由なんて入りますか?」

黒い瞳で、真っ直ぐに見つめられて少し照れくさかった。

だから俺は咄嗟に目線を逸らした。

「どうして目を逸らすのですか?」

「見つめられると恥ずかしいんだよ」

「あー。そうゆう事ですか……ふふっ」

左手を口元に添えて笑われた。

「別に良いじゃんか。可愛い子に見つめられて恥ずかしがらない奴は居ないよ」

「も、もう」

急に顔を赤くして下を向くエリス。

今日はよく分からないな。

いや最初からだな。

俺が考えてると。

目の前の空間が歪み出した。

一瞬焦ったが。

そこからレイキさんが出てきた。

俺達を見て気まずそうに

「あっ。ごめん。いちゃついてたのに割り込んで」

変な誤解をしていたので俺は立ち上がり。

「違いますよ!」

と全力で否定しようとした。

外から勢いよく走ってくる音が聞こえ。

バタンと大きな音を上げて扉が開いた。

ミナさんが鬼の形相で部屋に入って来た。

「逃げましたね!この恥知らず!」

レイキさんに詰め寄るミナさん。

「ちょっと待て。俺はただな」

「問答無用!」

刀を取り出すミナさん。

今度は何をして怒らせたんだろうな。

「エリスに話があるって言われていたからさ」

「だからどうして先に帰る必要が有るのですか!」

グイグイと詰め寄るミナさんに、レイキさんは何故かキスをした。

顔を髪の色よりも赤くしたミナさんは、

「人前でキスするなぁ!」

「ぐはぁ!」

腹パンを放ち部屋から出ていった。

ちゃんとドアを閉めるあたり、意外に冷静なんだと俺は思った。

腹を抑えながら。

「これで誤魔化せたな」

とドヤ顔で言い。

ますます訳が分からなかった。

「今度は何をしたのですか?」

エリスが呆れた顔で聞く。

「何もしてないさ。院長先生に会いに行った後にさ孤児院を出て。待っていたシルヴァに飲みに誘われたんだ」

「それだけですか?」

「それだけだよ」

「どうせ女の子の居るところでしょうに」

「何故分かった」

「最低ですね。それは怒られて当然ですよ!」

ギッと睨むエリス。

「待て待て。俺は断ろうとしたんだよ」

「あら。そうなんですか」

とエリスが言ったところで、レイキさんのスイッチが入ったのだろう。

「あたりまえだろうが!嫁と子供を置いて女の子が居る飲み屋に行くわけねぇだろうが!」

語気を強めて言ったので。少し俺達はビビった。

「まあまあ。落ち着いて下さい」

俺が言うが。

「だいたいさ。皆してなんだよ!俺をなんだと思ってんだよ!そんなクズに見えるのか、クソがよ!」

こんなに荒れたレイキさんは初めて見た。

隣のエリスが俺に抱きついてきて。

「こ、怖いわ」

と小声で言った。

「あああ!」

と叫び自分のベッドを殴るレイキさん。

それから一呼吸置いて。

「シャワー浴びてくるわ」

と言い。シャワー室へと向った。

「あんなに怒ると思いませんだした」

ガタガタと抱きついたまま震えてるエリス。

「大丈夫か」

「ええ。もう少ししたら大丈夫だと思います」

そう言うのでそのままにしておこうと思っていたら。

また勢いよくドアが開いた。

「お兄ちゃん居るぅ!」

今度はレイナが入ってきた。

「ちょっとなんで抱きついてるのよ」

レイナがエリスを引き剥がし。

「来なかったと思ったら。2人でなにしてるのよ」

何故か怒ってるレイナに、少し落ち着きを取り戻したエリスが。

「何って一緒にシャワー浴びて話ししてただけですよ」

と言わなくていい事を言いやがった。

「そっかぁ。2人でシャワーを……っええ!」

驚くレイナ。

「ふ、2人でシャワーって……アイカのエッチ!」

と何故かビンタされた俺。

「いってぇ!なにすんだよ!」

「暴力はいけませんよレイナさん」

「うるさい!アンタはいつも!」

と言いエリスに掴みかかるレイナ。

「離してください!痛いです!」

「ちょっと待てよ。落ち着けって!」

「うるさい黙れ!このっこのっ」

と服を掴んで揺さぶるレイナ。

その声が聞こえたのだろう。

シャワールームから殺気が出てきて。

「テメェらうるせぇぞ!」

とレイキさんの怒号が聞こえて来た。

「は、お兄ちゃん居たの!」

手を離したレイナ。

「レイキさん大変です。レイナさんに殴られました」

「ちょっ殴ってないわよ」

とレイナが言ったが。

「分かったエリス。後でボコすから許してくれ」

と返事が聞こえ。

ペタンと座り込むレイナ。

「あ、死んだわ」

と言って動かなくなった。

今日は皆変だな。

それからしばらくして。

シャワー室から出たレイキさんに、かなりキツく怒られたレイナだった。



今回の話が短いのでオマケ!

登場人物おさらいと言うか

描写しきれなかったので簡単な補足。


アイカ・フォーレス

一応メインの主人公。

倒れている所をレイキに保護された。

姓のフォーレスは無いと困るだろうからとレイキにつけられたもので本名不明。

ミプリヴァリナーとしての能力はピンチの時に力が増す。

年齢 15歳

髪色 紫

髪型 短めでややボサボサ。

身長 164cm

武器 剣

属性 無

ソルジャーランク 未定


エリス・フェルナ

フェニックス王国の王女。

クリスタルの加護を受ける為にギルドフォレストセイバーに仮加入。

夢で予知夢を見ることが出来る。

見た目の割に大食い。

年齢 15歳

髪色 黒

髪型 ツーサイドアップ

身長 152cm

武器 短剣

属性 炎

ソルジャーランク 未定


レイナ・ノイアロ

レイキの妹。

特技は誰よりも速く動く事。

お調子者で後先考えず行動し。その度にレイキに怒られる。

年齢 15歳

髪色 金

髪型 ロングヘアー

身長 167cm

武器 剣

属性 風雷



クレア・セプテ

レイキとミナの娘。

アオイとは双子でお姉ちゃん。

年齢 7歳

髪色 水色

髪型 ショートボブ

身長 138cm

武器 剣

属性 氷闇


アオイ・セプテ

レイキとミナの娘。

クレアの双子の妹。

年齢 7歳

髪型 ショートボブ

身長 138cm

属性 炎光









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