3−暇なのじゃ!
「暇じゃ。」
「アイシャ様! いくら暇だからだとそんなだらけた格好でいないでください。 あなた様は、今やこの国ルブランクスの女王なのですから、もっとしっかりして下さい。だいたいあなた様は……。」
「む〜〜、今イリスのお小言なぞ聞いたからわらわはより気が滅入ってしまい余計に動きたく無くなったのじゃ。」
「アイシャ様!!」
「イリスよ何かないかの〜、何でもいいんじゃとにかくこの退屈さえ紛らわせる事ができるならわらわは何でもやるぞ。」
「なら、溜まっている書類……。」
「おお!! そうじゃ、わらわもそろそろ使い魔などもってみたいぞよ。」
「エリシャ様、以前に使い魔召喚など絶対にやらないとおっしゃっていませんでしたか?」
半目のイリス怖!! 前々から思っていたが、半目でわらわを見るイリスは伝説のメドゥーサみたいでかなり怖いのじゃ、あれに見つめられたら本当に動けなくなってしまいそうじゃしの、じゃが……。
「なっなに、実は先日書庫で読んだ書物にのとてつもなく強力な使い魔が書かれていての、その使い魔の主が使い魔の力を使い世界を救う話が書かれておったのじゃ。 それでの、ぜひともわらわも強力な使い魔を手に入れて世界を平和に導いてみたくなったのじゃ。」
「なにをおっしゃってるんですか、今は停戦協定を結びどことも戦争をしていないのですよ。」
「その停戦協定じゃが、結ばれてもう十数年もたつのじゃぞ?いつ反故にされてわらわ達の連合国に戦争をしかけてくるかもしれんのじゃ。じゃからの、万が一そのような事態になっても強力な使い魔をわらわが従えていれば奴らもそうそう手が出せんじゃろ。」
「ですが……。」
「なんじゃなんじゃ! 先日はそろそろ使い魔を召喚してみてはどうかと言っておったのに、いざわらわが使い魔召喚しようとしたら止めおって。」
「召喚しようとしているものに問題が……。」
「いいじゃろうに、わらわが強力な使い魔を召喚すれば、護衛にもなるしさらにわらわの暇つぶし相手が出来るのじゃ、一挙両得とはこのことじゃな♪」
「はぁ………、分かりました今から召喚陣の準備を行いますので準備が整うのは数日後になりますが、それまでに……。」
「分かっておるのじゃ、それまでに溜まっている書類を片付けておけばいいのじゃろ、片付けておくから最高の使い魔を召喚できるようにしておくのじゃ♪」
こうして、どこかの異世界にあるルブランクス王国にて別世界から女王のための使い魔を召喚する準備が進められていくのでした。




