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第7話 対抗戦始まる


 新入生の対抗戦は入学後間を置かなく行われる。

 パーティーも即席が多いが、各人がどれだけ他のメンバーと即対応できるかも見られるためだ。

 大怪我しても回復魔法で回復してくれるため、命を狙う攻撃以外は許されるが、それはあくまで建前で、試合中命を落とすものも出るし、それを狙うやつもいる。

 弱いから悪いのだという事でかたづけられる世界だった。

 武器防具は支給だが、それぞれの職業スタイルによって支給されるものが異なる。

戦士なら、剣とスモールシールド、魔法使いや僧侶なら杖、騎士だとフルアーマーまで支給されるのは、やはり貴族贔屓というか、かなり差が出る。

 俺は弓なので、弓と矢が20本だ。

 さらにクラスによっても差が出る。

 剣で見るとアンダーは銅製、ノーマルは鉄製、ロイヤルはミスリル製だ。

 力量でなく、階級によって差が出るのは、貴族社会では当然といえば当然だが、ここまであからさまだと腹も立つ。

 どこが勝つかの賭けも行われており、俺は毎回自分のチームに賭ける事にした。


 俺達の最初の相手はノーマルの4人パーティーだった。

 戦士3人、魔法使い1人のパーティーだ。

 相手は最初からこちらをバカにしてきた。

「アンダーが相手とは俺達運がいい!

 獣女は服をはいでやるぜ」

「おい、おまえはアーチャーをマークして矢を防いでくれ

 これであいつは無力になる」

「オッケー、獣は最初に魔法で弱らせておけよ」

「まかしときな」


ミーアはそれを聞いて怒った

「あいつらバカにしやがって!」

「ミーアさん、冷静に

 戦いは冷静さを失った方が負けますよ」

「ごめん。でもくやしくて」

「俺達はアンダークラスだから、バカにされて当然

 ほっておけばいい。それより、俺達に負けた時のあいつらの立場は悪くなるから

 哀れんでやれ」

「うん、でも勝てるの?」

「余裕・・・さ、いくぞ」

 戦いは始まった。

 お互い距離を置いての様子見で、向こうの魔法使いが魔法を使う準備をした瞬間、俺はそいつを狙って矢を放った。

 矢の速度は普通時速200kmでればいい方なので、目と反射神経が良い戦士なら盾で防ぐ事もできる。

 しかし、矢を加速させる事ができる俺は、その6倍の音速で飛ばすので普通の奴には対応できない。

 案の定、俺が放った矢は魔法使いに当たり、やつは崩れ落ちた。

 撃たれた本人は何が起きたかわからなかったようだ。

 この加速させる技能は俺の超能力の一種で、以前、獣に矢を放つ時に自然と体が反応して行った事がありそれ以来自在にできるようになったのだ。

 周りのメンバーも同じだ。

「ミーアさん、ティカ、あいつらが驚いている今だ!」

 二人はその言葉に我に返り攻撃に出た。残りは戦士3人だが、おそらく二人だけでも勝てるだろう。

 戦いは終始2人に有利に進んだ。

 驚いて状況判断に迷っていた3人に、二人が素早い攻撃を繰り出してきたからたまらない。敵の戦士二人は最初の攻撃で腕を切られたり、胸を突かれ戦闘不能に陥った。

残り一人は二人に詰め寄られ、もう怯えていたので戦闘にすらならなく、俺達の圧勝に終わった。

 こちらのケガ人ゼロと完全圧勝に周りは驚きの声を上げた。


「マルスどう見る?」

「ミネルヴァ、あの男はやはり人間ではないな、魔族か俺達と同じ神族だろう

 あの矢は魔法ではなく、別の力で放たれている」

「音速の矢、あんなので攻撃されたら学生で防げるものは勇者ができるかどうかでしょうね」

「フフッ、これは荒れるぞ」

「楽しそうね」

「ああ、こういうのは好きだからな。

 格下のアンダーに負ける貴族達、早く見たいものだ」


 俺たちは勝ち進んだものの、対抗戦が終わるまで矢の補充はできないと言われ、節約しなくてはならないので、だんだんと苦しくなってきた。

 準決勝まで進むとロイヤルのパーティーになり、しかも6人パーティーで騎士も複数いてどう見ても不利だった。人数が倍、騎士が4人、魔法使いが2人。

 残りの矢は6本

 俺はティカ達に作戦を伝えた。

「騎士4人は俺が倒す、二人は魔法使いを頼む。騎士は相手しなくていい」

「わかったけど、大丈夫?」

「ああ、余裕さ、ただ決勝は苦しくなるが、まぁ3位以内に入れるからいいだろう」


 準決勝で相手は騎士4人が前衛、後方に魔法使い2人の配置で来た。

 今までの俺の戦い方を見ていたのか、魔法使いを完全に騎士の後ろに隠して盾を全面に構え進んで来た。

 俺は弓を横にし、矢を4本つがえ狙った。

 ティカとミーアは既に動き出し、魔法使いを狙うよう左右に展開した。

「マルスよ、あれはできるものなのか?」

「普通はしないな、あれだと狙いが外れる。

 牽制で複数の矢を放つやつはいるにはいるが、フルプレート相手では・・・

 いや、あれが全て音速になっても、ああ盾で構えられては難しいだろうが

 そういえば盾は鉄製だったな、撃ち抜くか!?」

 俺は4本の矢を音速で放った。

 4本は騎士4人にそのまま向かっていった。

 それぞれの盾に衝撃が伝わり、盾を貫きその奥の鎧に突き刺さった。

 盾を全面に構えていたため、胴に見事に矢が刺さり、4人ともうめきながらもがいた。

 盾と鎧、胴が矢でつながれるような感じになり身動きも不自由になった。

 動揺した二人の魔法使いは、ティカとミーアに襲われ倒されてしまった。

致命傷にならなかったので騎士4人はまだなんとかしようともがいていたので、俺は負けを認めるよう促したが、意地で攻撃してこようとした騎士は反発し、襲ってきたので、俺は蹴り飛ばした。

「そんな遅い動きでは、俺たちには勝てない」

 俺は、やつの腕を足で押さえ、剣を奪って顔に向け降伏を勧めた。

 やつはしぶしぶ負けを認めたので、俺達は準決勝も勝ち、周りはさらに騒然とした。

「あいつら、本当にアンダーかよ」

「あの男すごいな」

「アンダーのくせに生意気だ」


 次は決勝か、あの勇者達だろうけど、開始早々負けを認めて終わらせようかな



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