第6話 クラス別け
翌朝俺は朝食を皆ととっていたが、なぜか皆よそよそしく、なにかを企んでいるような感じがした。
悪意はないみたいなのでほっておいた。
問題は、教室に入る時だった。
教室は階級別だったのだ。
貴族クラスのロイヤル、平民クラスのノーマル、それ以下のアンダーの3クラスだ。
特待生の6人は貴族のクラスに、俺とティカは、それ以下のクラスになったのだ。
シルヴィアとシーラはティカと離れる事に納得いかなかったが、ティカはそれよりも俺と一緒という事に喜んだ。
俺とティカはアンダーのクラスに入ると、獣人の女の子が先に教室に入っていた。
ティカは人見知りのせいか、俺の後ろに隠れた。
俺は、とくに話す事はなかったので席についた。
ティカもなぜか、俺の隣に座ると、獣人の子は俺のところにやってきて、隣に座り挨拶してきた。
「私ミーアよろしくね!このクラス私ひとりだと思って心細かったんだ!
ねね、そっちの子も私と同じ獣人よね?
良かった!」
ティカはおどおどしながら答えた
「ティカです。よ、よろしく・・・」
俺と話していた時と随分違うな。
「これで対抗戦も、私達3人でパーティー組めるからそこそこいけるかもね!」
なんだと!?
「ちょっとまて、パーティーは俺達3人で組むのか?
他のクラスのやつもいっぱいいるだろ?」
「身分が違うから無理だよ」
「そうなのか?」
「うん! ここは貴族が主体だからね。
私らみたいな亜人や貴族でないものは肩身が狭いわよ」
「そういうわけか、でミーアさんは戦士?」
「うん!よろしくね!」
前衛この二人で、俺が弓でサポートってところか
「そういえば、ミーアさんはなんでこの学園に入ったの?」
「・・・お姉ちゃんがこの学園で行方不明になったから探しにきたの」
「そうか、見つかるといいな」
一方、教員室では
マルス先生、ミネルヴァ先生、そしてディオニッソス先生がおり話をしていた。
ディオニッソス先生は2人に向かい聞いた。
「今年の生贄は何名だ?」
マルス先生は平然と答えた。
「アンダーのクラスは3名で、うち獣人の娘が2名です」
「それは上々。楽しみも増えるというものですな」
ミネルヴァ先生は、ディオニッソス先生に諦めつつも聞いた
「もうこういうのは辞めた方がいいのではないかしら?」
「何を言う?
獣人やスラムの連中など、生贄か奴隷でしか価値はないだろ?
この学園で学ばせてやるのだ、せいぜい皆のストレス発散の役にでも立ってもらわねばな。
そいつらを特待生の部屋にいれてやれよ。
他の奴が嫉妬するほどにな。フハハハハハハ!」
「はい、既に手配しております」
(今年は、おまえの思惑どおりにはいかないかもしれんぞ)
今日の授業は自己紹介と校内の説明で終わった。
担当の先生はミネルヴァ先生だった。
俺は、授業が終わると図書室に勉強しに行った。
もともとこれが目的で入ったのだ。このあたりの歴史などを調べるために。
他の2名は部屋移動があるとかで、先生に連れていかれた。
図書室はほとんど人がいなく静かだった。
対抗戦前という事もあるのかもしれない。
歴史を調べると、魔王と勇者の戦い、国同士の戦争、種族間の争いに神々の関与と興味がつきなかった。
どうもこの神々はこの世界の人種などを駒として戦わせているようでもあった。
あたりが暗くなってきたので、俺は部屋に戻ってみると
2人の侵入者がいた。
「ティカ、また入ってきたのか? それにミーアさんまでいるのはなぜなんだ?」
するとミーアが平然と答えた
「聞いてないの? 私達同じパーティーだから一緒の部屋になったんだよ!」
「は!?
仮にも俺は男だぞ?いいのか?」
「責任とってくれるなら、私はいつでもオッケーさ!!」
「ダメ!!」
ティカがミーアの言葉に割って入った。
「お兄ちゃんは、私が守るわ」
俺は二人に注意した。
「静かにしてくれ
とにかくベッドは2人から離すからな」
「「えー!!」」
「それと、もう寝るから静かにしろよ
おやすみ!」
この学園、どうもおかしい
今度調べてみるか・・・・