第1話 異世界へ転生する
これは「異世界でひっそりと暮らす天使 その強さ規格外」のリメイクです。
リメイクですが設定や中身がわりと変更になっています。
それでは、どうぞ(*´ヮ`)ノ
俺は日本に住む日本人として半世紀程ぼっちで生きてきた。
良い師匠に恵まれ、中国武術の腕は既に奥義まで習得したくらいだが、それを使う機会などあるわけでもなく今日まで生きてきた。
そして、ついに数多くの霊能者や預言者が予告していたアセンション(次元上昇)の時を迎えた。
この地球そのものが3次元から5次元に移行し生物もそれにともなって霊的に進化するものが出てくるのだ。
その過程で4次元を通る時人々は自分の罪を(それも神から見た罪を)見せられ、中にはあまりの酷さに死を選ぶものもいた。
神から見た罪は普通感じる罪悪感だけではなく、その罪の恐ろしさに恐怖し、その穢れの酷さに嫌悪感さえ抱くのだからたまったものではない。
しかもその期間は3日間にわたり太陽や人工的な光、電気はすべてなくなり暗闇に閉ざされた時に起こったのだからたまったものではないだろう。
これが神からの最後の警告であり恵みだと知らないものは罰を受けたと思い死を選んでしまうのだ。
その試練を乗り越え霊的向上を目指していたものはさらなる存在へと進化していった。
俺もその一人で次元上昇の過程で罪だけでなく過去世まで知らされ自分の使命をも思い出した。
最後の審判の時に奴らと戦うために天使だった俺は何度も人生を歩んで来たのだ。
次元上昇も終わり世界が明るくなってきて、最初に目にしたのは・・・・
「どこだここ?」
自分の部屋にいたはずが、何もない空間におり、目の前に天使がいた。
「私はラグエル。あなたは今時空の狭間にいます」
「はぁ?」
ラグエル・・・確か天使を監視する天使だったっけ・・・
「単刀直入に言いましょう。
異世界で転生してもらいます。
そこで地獄に属するものを滅ぼして下さい」
「いや、滅ぼすっていっても今の俺にそんな力はないよ」
「大丈夫です。天使だった頃の力に加え、数々の人生で学んできた力もあると思います」
「転生したら随時思い出すでしょう。
では次に異世界での人生ですが、この中から選んで下さい
王族の子として生まれ王者になる道
魔族として生まれ魔王になる道
スラムの娼婦の子として生まれ枷を付け加えられる道
生まれた時から奴隷だが、巨人をも超える力を得る勇者の道
村人として生まれ、偉大な魔道士になる道
さぁ、どれがいいですか?」
「何を選ぶかか・・・
ん?真ん中のだけ将来性が不明みたいだけど?
他のは栄光が待ってる気がするのに」
「そのとおりですよ。さぁ、どうしますか?」
「決まった道というのも面白くないし、俺達天使にとって人々からの賞賛なんて必要ないから、真ん中のスラムのでいいよ」
「では、そのようにしましょう
ちなみに王族の道は古の時代、あなたがその異世界で歩んだ道ですよ。
機会あれば遺跡でも探してみなさい。」
ラグエルがそう言い終わると、俺は目の前が暗くなり、どこかに落ちていく感じがした・・・
ある町のスラムで一人の男の子が産声を上げた。
名前はマックスと名付けられた。
母親は娼婦で父親は誰かわからない。
俺が6歳の時、母親は病気で亡くなった事で俺は前世での記憶を思い出した。
唯一の身内が亡くなったので俺はひとりで何とか生きていこうと思った矢先、母親の友人のナオさんが強引に俺を引き取ると泣き出したので、仕方なく成人式までは育てられる事になった。
ナオさんには、見知らぬ獣人との間にできた俺と同じ年の娘ティカがおり、その子は生まれながらに皮膚病にかかっていて、顔にもかさぶたなどが付いているので、獣人ともあいまって周囲からは嫌われ避けられていた。
そのため普通は布切れを包帯がわりにして顔や体に巻いていて、いつも人目を避けていた。
しかし、ナオさんが母親の友人という事もあって、俺はティカの面倒をよくみていた。
俺にとって外見などどうでもよく、特に記憶が戻ってからは外見よりその人の魂を見るようになっている事もあって、ティカは純粋な魂を持っているため俺にとっては美しく見えたのだ。
ナオさんも、俺がティカの事を普通に接していたので好感を抱いており、俺のためというよりティカのために俺を引き取ったような気がした。
俺は同じスラムにあるナオさんの家に住む事になった時の事、ティカはもの凄く喜んでくれたものだ。
「ティカ!、今日からマックスはうちの子になったからよろしくね」
と少し大きな声で奥に声をかけると、奥から猫耳を頭に生やした茶髪の少女が走ってきた。
「え! にいたんが本当のにいたんになったの?」
「ええそうよ! これからずっと一緒にいてくれるわ」
「やったあ! にいたん! にいたん!」
と言って、ティカはその時嬉しそうに抱きついてきたので、思わずかわいくて抱きしめてしまった事もある。
ティカは見た目のせいで友達もおらず、唯一避けない俺にすっかりなつき、
俺の事を兄と思って慕っていたのだ。
「ティカ、これからはよろしくね」