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汚隣の後輩ちゃん  作者: ブリル・バーナード
第一章 一学期と後輩ちゃん
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第61話 乗り物と後輩ちゃん

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。


感想ありがとうございました!

 

 まだ梅雨明けしていないのに、カラッとした夏空が広がる七月上旬。


 日差しが強い。汗がダラダラと流れる。


 俺は水着を着て、プールサイドに整列していた。


 一学期最後のプールの授業。クラスメイト達の目が輝いている。そして、男子たちのソワソワが止まらない。


 それもそのはず、今日はなんと一時間全部自由時間なのだ!


 女子とも遊べる貴重な時間。男子たちの目が血走って、欲望でギラギラしている。


 これ、大丈夫か?



「準備運動はしっかりした? 今日は自由時間だからね! 水の事故には十分注意すること! それでは授業を始めます!」



 先生の代表として、Tシャツと短パンの水着という濡れてもいい服を着た桜先生が号令をかけて授業が始まった。


 飛び込むのは禁止されているため、男子たちがゆっくりと水の中に入る。そして、入った瞬間に勢いよく遊び始めた。


 うん、まるで小さい子供だな。


 俺はプールサイドに腰掛けて、足でチャプチャプしてのんびりとする。


 俺の隣りに誰かが座った。後輩ちゃんだ。水着姿の後輩ちゃんだ。



「先輩? 遊ばないんですか?」


「んっ? 遊んでるぞ」



 俺は脚を軽くバタつかせて水飛沫を上げる。


 後輩ちゃんが何故か引いている。そして、可哀想なものを見る目で俺を見てくる。



「そ、それが遊びですか……寂しい遊びですね。お友達います?」


「うるさい! 別にいいだろう!」



 俺はこれが楽しいの。友達もちゃんといるわ! 少ないけど。


 後輩ちゃんがクスクス笑っている。思わず後輩ちゃんを直視してしまった。


 水に濡れた水着姿の後輩ちゃん。綺麗な白い肌には水滴が輝いている。水で貼り付いた水着が身体のラインを強調させる。バランスの取れた美しい身体。平均より大きな胸。すらっとした長い脚。


 毎日見ている後輩ちゃんの姿が、水着を着ているだけで全然印象が違う。ちょっと理性が危ない。


 落ち着け~俺。今興奮したら社会的に死ぬ。落ち着け~。



「あれ~? せんぱぁ~い? ひょっとして私の水着姿に見惚れましたかぁ?」



 後輩ちゃんがニヤニヤして揶揄ってくる。


 後輩ちゃんは鋭い。すぐにバレてしまう。


 よし。熱くなってきた体をプールの水で冷やそう。ジャブンとプールに沈んだ。


 ふう、冷たくて気持ちいい。


 潜っていたら後輩ちゃんが隣に白い泡をたてながらプールに入ってきた。後輩ちゃんは水の中でも可愛い。


 ぷはっと同時に水面に顔を出す。



「なんでいきなり水に潜るんですか! びっくりしたじゃないですか!」


「えーっと、ただ潜りたくなったので」


「私に心配をかけた先輩にはお仕置きです」



 そう言うと、後輩ちゃんは正面から抱きついてきた。手や足まで絡ませてきつく抱きしめてくる。水の中だから後輩ちゃんの身体がとても軽い。



「このまま私を運んでください! この時間は私の乗り物です!」


「それはいいけど…………いつもより柔らかい感触が伝わってくるのですが」


「そ、そうですね。ブラしてませんからね。ノーブラです」



 恥ずかしくなるならノーブラのことを強調させないでください。そして、積極的に押し当てないでください。


 それにこの体勢だったら、後輩ちゃんの身体を支えるために、こうしないといけないんだから。



「ひゃっ! せ、先輩学校ですよ! なに私のお尻を触っているんですか!」


「抱きついてきた後輩ちゃんが言うことですか? それに正面からの抱っこはお尻のあたりを支えないといけないから」


「そ、そういうことですか。なら許します」



 許すんですか。そうですかそうですか。なら、密かに後輩ちゃんのお尻を堪能しよう。


 おっと、あんまり意識しすぎると大変なことになる。気をつけよう。


 それにしても後輩ちゃんは成長したなぁ。前なら絶対気絶したのに。特訓の成果が出ている。



「先輩! あそこに行ってください! 女子と美緒ちゃん先生がいるところです!」


「了解です、お姫様」



 俺は後輩ちゃんを抱いたまま、ゆっくりと水の中を歩いていく。


 男子からは今までで一番睨まれている気がする。後輩ちゃんがいなかったら俺は水の底に沈んでいたな。


 後輩ちゃんが女子たちに向かって声を上げる。



「おーい! みんなー!」


「葉月………………と颯。あんたらいい加減にしろ!」



 女子たちが全員呆れと羨望の眼差して見つめてくる。


 そりゃそうだよね。滅茶苦茶密着しているから。



「はーい葉月ちゃん! 交代してほしいです!」



 一人の女子が手をあげて発言した。勇気あるなぁこの子。


 後輩ちゃんは頬を膨らませる。



「むぅ! 却下! 却下! きゃ~っか!」


「えー! じゃあ、颯くんの背中をもーらいっ!」



 ふにょんと新たな柔らかさが伝わってくる。美少女二人に水着姿で密着される俺。


 うわー男子たちの視線がすごーい。その視線だけで俺死にそう。


 この場から離れたくても身動きが取れない。女子たちが何故か結託して周囲を完全に包囲している。



「ずるーい! 時間制ね!」


「えー! まあいいや。みんなにも貸してあげよう!」


「ちょっと! 私は許可してないんだけど! 先輩の背中から離れて! 先輩も震えてないで何か言ってくださいよ!」



 ガクガクブルブル。数日前のカラオケの出来事を思い出して、俺は身体が震えて動けない。女子怖い。肉食系女子怖い。ガクガクブルブル。



「あっ…これはダメだ。もう! 今回だけだからね!」


「正妻からお許しが出たぞー! みんなやれやれ!」



 うわっ! ちょっと誰だ俺の身体を触ったやつ! 俺の脚に脚を絡めてスリスリするな! お尻揉むな!



「お姉さまぁ!」


「ひゃっ! なんで私まで触るの! 『お姉さま』じゃないから! お尻揉むな! ってこの手は先輩か。なら許します!」



 許すんだ。じゃあ遠慮なく。



「むぅ~! 先輩は私のモノなんだから!」



 後輩ちゃんが頬と頬をくっつけて頬ずりしてくる。あの~ここは学校ですよ?



「宅島君は女子から人気だねぇ」


「ちょっ! 桜先生助けて!」



 俺は助けを求めるが桜先生は微笑むだけ。


 もう一人いる男子担当の男の先生に助けを求める視線を送ったが、ニヤリと笑ってサムズアップをしてきただけ。何やら口元が動いている。『が・ん・ば・れ』。


 ちくしょう! 味方がいない!


 結局女子全員が俺の背中に抱きついてきた。後輩ちゃんの機嫌が悪い。


 女子の一人がニコッと笑って桜先生に手を差し出した。



「美緒ちゃん先生! お手を拝借」


「えっ? あっはい」



 咄嗟に女子生徒の手を握ってしまった桜先生。女子がニヤッと笑った。手を引っ張ってプールの中に引きずり込む。



「きゃあ!」 ドッボーン!



 盛大な水飛沫を上げて桜先生がプールへと落ちた。焦った表情で水面に顔を出す。そして、近くにいた人物にしがみつく。



「ちょっと! なにするの!」


「美緒ちゃん先生も一緒に遊びましょう!」


「でも、私先生だし」


「いいからいいから! あっ、美緒ちゃん先生もそのまま颯くんにおんぶされときます?」


「えっ?」



 桜先生がしがみついている人物を良ーく見ている、気がする。だって俺には見えないから。


 先生が背中にしがみついている。背中に感じる大きな胸の感触。


 ふむ、すごいな。



「むぅ~! 先輩が鼻の下を伸ばしています」



 後輩ちゃんが頬を膨らませている。



「こ、後輩ちゃんごめん!」


「あっ、宅島君ごめんね。すぐ降りるから。…………重くなかった?」



 背中から重さと柔らかさが消えた。



「いえいえ。軽かったですよ」



 水の中だったので。桜先生が申し訳なさそうにしている。


 一人の男子がプールサイドにあがり、俺を睨みつけながら大声で叫んだ。



「みんなー! 渦を作ろうぜ! みんな時計回りに回れー!」



 男子も女子も楽しそうに時計回りに動き出した。桜先生は女子に手を引っ張られながら、戸惑った様子で泳いでいる。



「私の乗り物先輩号! 出発です!」


「かしこまりました、お姫様」



 俺もお姫様の命令で抱っこしたまま移動を開始した。


 ゆっくりとした水の流れが次第に速くなっていく。歩かなくても水が勝手に運んでくれる。男女が入り乱れて全員が楽しそうに渦を作る。



「いやー高校生になっても渦を作るとは思いませんでした」



 後輩ちゃんが俺の腕の中でリラックスした表情で言った。水着姿での抱っこに慣れたようだ。



「先輩! 今度はおんぶがいいです!」


「お姫様のしたいようにしてくださいな」



 流れるプールの中、後輩ちゃんが器用に動いて、俺の背中に移動する。後輩ちゃんの胸の感触が気持ちいい。


 プールサイドで楽しげに見ていた男の先生が笛を吹いた。



「今度は逆回転!」



 生徒たちがキャッキャッと楽しげな声を上げて水の流れに逆らう。


 物凄い圧力で進むことができない。押し流されそうだ。


 後輩ちゃんが俺の身体にぎゅっとしがみついた。後輩ちゃんの柔らかさが心地いい。


 水の流れに逆らえなかった目の前の人物が流されてきた。俺は避けられなかったので、何とか抱きしめた。


 女子高生ではない大人の身体。桜先生だった。



「美緒ちゃん先生大丈夫ですか?」


「あれ? 山田さん?」


「俺もいますよ」


「宅島君! ご、ごめんなさい」



 美女と美少女に挟まれる俺。うわー、男子たちの視線がすごーい。



「流れが強すぎて………」


「美緒ちゃん先生は身体の表面積が大きいですからね。とりゃ!」


「あんっ♡ ちょっと! なにするの!」


「抵抗できない今のうちにセクハラを。うわぁ美緒ちゃん先生のおっぱいすごいですねぇ」



 ぐへへ、とエロ親父と化した背中の後輩ちゃんが手を伸ばして桜先生の巨乳を揉みしだいている。



「葉月さん? 家でやってくれませんかね?」


「おっと! 先輩がいるんでした。それに美緒ちゃん先生は家にご飯食べに来てましたね。続きは家でします。先輩も一緒にします?」


「しません!」


「では、私のおっぱいを」


「………………………………しません」



 後輩ちゃんが背中でクスクスと笑っている。


 しょうがないだろ! 俺も男なんだから! とても悩みましたよ!



「………………仲いいなぁ」



 桜先生が羨ましそうに小さく呟いたのが聞こえた。本人は呟いたことに気づいていないようだ。後輩ちゃんにも聞こえていない。



「桜先生」


「えっあっはい!」


「水の流れが少し弱くなりましたよ! ほらほら行きましょう!」


「うん!」


「先輩! 美緒ちゃん先生! 進め進めぇー!」



 背中の後輩ちゃんが楽しそうに前方を指さしている。気分は船の船長かな? とても可愛い。


 こうして、俺たちは水の流れに逆らい、反時計回りに回り始めた。


 一学期最後のプールの授業は至福の柔らかさと殺意の視線を感じ、みんなで渦を作って、とても楽しかった。


 後輩ちゃん、いろいろとありがとう!


お読みいただきありがとうございました。


感想でもありましたが、なかなか告白をしないのでモヤモヤしている読者の皆様も多いと思います。

ぶっちゃけ、告白はまだまだ先です!

告白する場所とか雰囲気とか気にするヒロイン属性を持つ乙女なヘタレがいるんですよ。

それを眺めて楽しんでいる後輩もいるんですよ。

しばらくは先輩後輩以上恋人未満が続きます。

恋人以上にいちゃいちゃしますけどね!


どうしても早く続きが読みたい! という読者の皆様はカクヨム様のほうをご覧ください。

カクヨム様で『汚隣』と検索すれば一発で出てくるので。


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