ようこそ!転生者!戦場はあなたたち人類の子供を迎えます!
彼は幸せな転生者!しかしとうとう現実に転生する!
「猟犬!どうした、私を殺すのではないのか?」
女は犬を嗤う
「うるさく吼えるモノだから首輪をつけられたか?雌犬ッ」
首を絞めるための手のひら
引き金を引き、時に獲物を切り裂き、貫くための指先
頭を粉砕、内臓をマッシュする両足
ドレもが。
たった、ワンコールその着信音で【任務中止】を告げる
「私は…」
ヒトに飼われ犬は群れの狩りの為自らを律する。【狼の証明】足る故に
「神、天に…創り…偉大な…神…カミ…かみ…神」
女は顔を顰める。
「私はヒロインだ。他者を貶める、悪魔だ!」
それがなんだ
「たったワンフレーズでキマってやがる」
犬は涎を垂らし、次の狩りへの殺しを待ち遠しく、喜びの余り
「こりゃあ、臭うね」
へたり込んでパンを加えている【ヒーロー】に向かって
「小僧っ子」
彼の方向に目を向けるだけの目線にヒーロー…彼、主人公は
彼、精一杯の音を、カヒュと喉奥から出し
同年代ではない、だった『ヒロイン』は心底哀れに
カバンから箱状のものを取り出すと
「我が家から持ってきたベントーだ」
「昼飯でも出来るだけ詰め込め、当分コレのおかげで胃に入らんだろう」
可哀想だがアンタのヴァーチャル・リアリティはお終いさ
『兵役の年齢引き上げ』だそうだ
「転生?憑依?何言ってんだ?人類は物理的に生まれる前からデザインされているじゃないか」
「アタシか?【データをダウンロードするプログラム】だよ飼い主が手先で作った粗製品さ」
「大丈夫、この椅子に座れば全てインストールされる」
「に…せい…?なんだって?連邦暦なら知ってるけど…」
「…随分と平和なベッドだったんだね」
「行く場所?地獄?戦場さ。アンタ随分と女とやらで好き勝手していたようだけど」
「うん、大丈夫さ!現実の性別?何それ…ああ!戦場の肉体は基本手足頭胴体、ついてるよ!」
「あーあ、駄々をこねないで聞いたら座るようにしてくれ」
「説明すると、アンタは【人類の遺伝子】の一から十まで解析されたそれの仮想データ、要は【仮免許人類】さ」
「旧人類は?知るか木っ端にそんな情報渡されるものか」
「抵抗するのか?ヨシ、良い子だ楽にしてろ」
『ブートキャンプへようこそ!ヒーロ達(転生者)!ココで戦って恒久的肉体を得よう!』
数々の名作、アニメ化まで至った作品を見てここまでなら大丈夫だと…多分
角でぶつかったヒロインBは元軍人の現実でエラーを起こし再利用された削除機能です
説明してる女性、ダウンロード・インストール機能さんはメインヒロインのアバターデータを借りています
ご覧いただきありがとうございました