「天」
前回の「先に生まれた人」に書きましたが、私の苗字には「天」という漢字が入っています。
そして、上の線は短く・下の線は長い「天」なのです。
この「天」という漢字について小学一年・二年の時の担任の先生の反応について書き出します。
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漢字の勉強が始まって「天」という漢字を習いました。
宿題では習った漢字一文字を漢字ノートに書いてくるということで一生懸命に「天」を書きました。
私の書いた「天」を見た私の父と母はこう言いました。
「この”天”は違うよ。上が短くて下が長いのが”天”だよ」
「え、学校では上が長くて下が短くって習ったよ」
「そんなはずがない。うちの”天”は上が短いんだよ。間違っていないよ」
この一言で私は書いた「天」をすべて消して、父と母の言うとおりに書き直しました。
(父と母曰く、当時はこういう風に習っただそうです)
翌日、宿題を見せに先生の所へ持って行きました。
漢字ノートを開いて一つずつ正解の赤丸を書いてくださっていた先生ですが、「天」のところで赤ペンは止まりました。
「この漢字は違います!上が長くて下が短いのが”天”です!ちゃんと教科書にも書いてあるでしょう!きちんと書きなさい!!」
と急に大きな声で私を叱り始めたのです。
私は小さな声ですが「お父さんとお母さんが…」と言うと
「お父さん、お母さんじゃありません!教科書どおりに書きなさい!」
と返されてしまいました。
たかが漢字一文字で怒鳴られるとは思っていなかったので、涙目になりながら私は「先生の言うとおり、書き直してきます」と頭を下げて席に戻りました。
家に帰ってお母さんたちのせいで先生に怒鳴られたことを伝えたら、今の「天」の表記の仕方は違うということを理解してくれました。
それから「だけど、うちの”天”は上が短くて下が長いんだよ」と念を押されました。
当時は何故漢字一文字であれほど怒鳴られのかわからず、私の理由も受け入れてくれない先生がとても嫌いでした。
今ならわかります。先生の事情があったということを。
しかしどんな事情があっても私の「天」を受け入れない先生は嫌いのままです。