惨敗?
小さい頃からずっと一緒で、学校行くのも帰るのも遊びに行くのもぜーんぶ。それが恋だと言う事に10歳の私には分からなかった。でもある日、君が私に「ねねって僕の事好き?」って言われた時すぐには答えれなかった。そんな私に君は「好きになった時は教えてね」って言ってくれた。
今なら分かるよ。
君が好きです。
「れーーーーん!!!!」
髪型よーし。服装よーし。元気よーーーーーし!
松崎 ねね、女子高生!夢はレンと結婚する事!
レンとは小さい頃からの幼なじみ。そして!7年越しの片思いをしてるのだ!
「あ、ねね。おはよ」
「おはよう!」
きゃー♡もうレンの生声!好き!全部好き!
「ボーッとしてたら置いてくぞ」
「あ、もう待ってよー。」
松崎 ねね。
今ならレンに言えます。
「好き」って。
「それで?」
「で?って?」
「あんた、声聞いただけでまたテンション上がってる」
「だってだってレンの生声だよ!顔だよ!笑顔だよ!あんな事って私だけだと思うんだけどー!」
「はいはい」
「桐島は分かってないね〜」
桐島とは私の友達。
「あんたに言われたくない」
「じゃあ付き合った事あるの?」
「それぐらいあるわよ。」
「じゃあキスは?」
「ある。ねねは?」
「……な」
「ないね。」
「…きーりーしーまー!!!!」
「な、なに。」
「もーーう!!羨ましい!!」
「羨ましいのかい。」
「レンとキスだよ?!カップルだよ!?…なりたいよね〜♡」
「中川を狙ってるのはねねだけじゃないと思うけど。」
「どーゆー意味?」
「あれ、見てみな」
「…ん?」
…あああああああああ!!!!ぬおおおおおおお!!!
レ、レンと山下さん?
な、なんで?!
「実は山下さんも中川の事狙ってたりして、」
「うそおおおおおおおお。」
ううん!大丈夫!私の方がま、まだイケてる!髪型なんか私の方が可愛いし!……でもレン、楽しそうに笑ってるなあ…。
「いい雰囲気」
「きーりーしーまー!変な事言わないでよ!」
「ホントの事言っただけじゃん。」
「…うぅ…」
松崎 ねね、ダメージ大きいです。
「俺、山下さんと付き合う事になったから」
「え、え、え?」
「それだけ。じゃ。」
えええええええええーーーー!!!???はいい?!な、なんでよりによって山下さん?!わ、私の方が近くにずっと居たよね?!私の方がレンのこと何でも知ってるんですけどー!!!!
「夢でも見てるのかな…」
そ、そうよこれは夢!目を覚ませ松崎…
「中川君!行こ!」
「おぅ。」
「…」
ま、待ってなんかすごい笑いあってるじゃん。なんだよあれ。
私以外にもあんな笑顔するんだ。
手、繋いでるし。
私、振られた以前に惨敗?勝ち目無し?!
「松崎 ねね。面白そうな子じゃん。」