第八十六話 俺は暇でした。的なお話
「あっ!時間決めてない。」
「えっ?あっ!そういえばそうだったね。」
「レントが六時間、私とセフィアが三十分。」
「おいっ!俺殆どじゃねぇか!」
「冗談。」
「本気だったらマジで泣くぞ、俺。」
「あはは…。それでどうするの?見張り時間。」
「えーっと、今が午後10時22分だから、一人二時間半で六時まででどうだろう?」
「一人五時間睡眠か。ちょっと長くない?」
「そうかな?出来るだけ睡眠時間を長くとろうと思ったんだけど。」
「とりあえずやってみればいいと思う。」
「う〜ん。分かった。それでいこうか。でも、もしも辛かったら遠慮なく起こしていいからね。」
「分かった。」
そうと決まれば早速行動開始だ。
先ずは夜営場所としてセフィアに頼んで土魔法でドームを壁際に作ってもらう。
そしてそのドームを囲うように鍛治訓練の時に貰った結界を作る魔道具を設置する。
これで作る結界には認識阻害の効果があるからな。
そしてドームの中に寝る為の毛布や毛皮を敷いて準備完了だ。
先ずは二人に寝てもらう。
◇
二時間半は結構長かった。
レイカーさんに借りたラノベを読んだり、武器の手入れをしたり、軽く素振りをしたり、なんか井戸の井みたいのを書いてそこにまるばつで列を作るゲームでの必勝法を考えたりしながら時間を潰した。
というか最後のは本当に無駄だったな。
だってそもそもやる相手がいないもの。
まあ、いいや。
そろそろ交代だし、セフィアとリリンが読んでるラノベのシリーズを出して、と。
さてと、リリンを起こして寝るか。
◇
身体を揺すられる感覚がする。
「起きて、レント。」
朝かなと思い目を開ける。
「ふぁああ〜。おはよう、セフィア。」
「うん。おはよう、レント。朝ごはん作るから材料と道具お願い。後、これをストレージに仕舞っておいて。」
「これは…魔石とドロップアイテム。どうしたのこれ?」
「リリンが見張りしている時に魔物が出現して、それを一人で倒したって。」
「それなら起こしてくれればいいのに。」
「自分一人でなんとかなるからって。だからさ、もう少し寝かせてあげよう。」
「ああ、もちろん。」
ストレージから調理道具と食材を出して、その代わりに魔石とドロップアイテムを仕舞う。
そしてセフィアの調理を手伝う。
といっても俺に出来るのはセフィアに指示を仰いで食材を切るくらいなんだけどな。
ある程度準備が整ったところでリリンを起こす。
おはようのキスを求められたから素直に応じた。
一人で頑張ってくれたからな。これくらいはむしろ俺からすべきだと思うし。
朝食を終えた後はダンジョン探索を再開する。
九階層へと進み、罠を避け、魔物を屠っていく。
この階層はDランクの魔物がメインなのだろう。
オークやゴブリンナイトに、メイジゴブリン、ゴブリンアーチャーが出てくるが問題なく進めている。
そして十階層へと続く広間に出た。
まだたいして疲れていないけど、次はボス戦になるからな。ちゃんと休まないと。
武器の血を拭き、体力と魔力の自然回復を待ち、体調を万全にする。
いざボス戦へと赴くが、今回のボスは外れかも。
今回のボスはオークナイト的なやつ。
皮鎧と刃こぼれの激しい片手剣を持っている。
しかし、ただそれだけだった。
別に素早くないし、攻撃力は凄いが全体的に遅いせいで喰らわないし、セフィアとリリンがスピードで翻弄してどちらかに気が向いた所を俺と残った方でアーツなり魔法をぶちかましてたらあっという間に倒してしまった。
ボスドロップはメダル。
クリア報酬は何故かコボルトロードのメダルと謎鉱石だった。




