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微ユニークから始まる異世界生活  作者: 椎茸大使
【第五章】 迷宮都市でのいろいろ。
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第四百四十九話 ギューッと握ってあげる。的なお話

早く食べれないかと思っていると再び冒険者が戻ってくる。

また倒した魔物でも持ってきたのかなと思っていたんだが、どんどん増えてくる。

その数は予想以上。

え?

なんでこんなに多いの!?


「昼飯ってどこでもらえるんだ……ですか?」

「えっ? ああ。あっちの方で作ってたからそっちで……」

「そうか……です。」


なんか、言葉遣いのおかしい冒険者に尋ねられたよ。

あれかな?

敬語を使おうとして、とりあえずですとか付けたのかな。


「お昼ご飯ってどこでもらえますか?」

「え、あっちの方だけど。」

「ありがとうございます。」


「昼飯ってあっちだよな?」

「え、あ、うん。」


何故か、各冒険者パーティから質問されるんだけど。

あれか?

俺はただの職員に見えるってか?

俺の方がランク高いんだぞ!

( *`ω´)ぷんぷん。

あ、やっぱ顔文字は無しで。

キャラじゃないしキモいわ、これ。

はぁ。

いちいち聞かれるのはめんどいし仕方ない。


「昼食はこちらで配給しています! 欲しい人はこちらに一列で並んでください!」


アデラードさんに言われたし、整列をする事に。

あ〜、俺の昼飯が遠のく。

というか、冒険者なんだからそれくらい自分らでなんとかしろよな。


「あ………レントさん……」


整列をしているとレミナさん達が再びやって来た。

お前らもかよ。


「何してるんですか?」

「見ての通り列の整理だよ。横入りとかで喧嘩や騒動を起こさないようにね。」

「そんな事もしてるんですね。」

「雇われた以上はね。それよりも、そっちは女の子2人もいるのにどうしてここに来たの? 現地で用意して食えば移動時間をロスせずに済むから優勝に近づくと思うんだけど。」

「それはそうなんですけどね。でも、天装の姫の料理人は貴族の家に使えた料理人の娘というのは結構有名ですからね。そんな人が作る料理なんてそう簡単に食べれないんですよ。そう考えたらこの機会に、って思って。」

「そういう事か。それでこんなに行列になってるってわけか。」

「確かに凄い人ですよね。40人くらい?」

「そんくらいいるな。あ、それと天装の人だけじゃなくてセフィア達も作ってるからきっと美味いから期待していいぞ。」

「きっと? レントさんは食べてないんですか?」

「あー、うん。食いたいんだけどな、この整列をしない事にはな。」

「あ、その、すみません。」

「レミナさん達のせいじゃないよ。こんなにいるんだし……。」


と、そこで前の方が騒がしくなる。


「おい、お前ら横入りすんなよ!」

「うるせぇ! どうせお前らなんて勝てっこねぇんだから俺達に譲れよな!」


ここで面倒ごとかよ。

腹減ると怒りっぽくなるとはいうけどさ、むしろ俺が怒りたいよ。


「悪い。前の方でトラブルが起きたから。」

「そうみたいですね。すみません、引き止めてしまって。」

「気にしないで。じゃ、行ってくる。」


前の方に行くと睨み合いから取っ組み合いに発展しかけていた。


「そこまでだ。全く、こんな騒動起こして。」

「なんだテメェ。邪魔すんじゃねぇよ!」

「ん? これはなんのつもりか、な?」

「いててててててててて!」


殴って来たので手で止める。

と、同時に制裁も兼ねて拳をギューッと握ってあげる。


「えーと、どっちが割り込みして来たのかな?」

「あ、今手を掴んで(?)いる方です。」

「いててててててててて! て、手が、手が砕ける!」


近くにいた人に誰が悪いかを聞く。

間違った方を後ろに引っ張るわけにはいかないからな。


「ほら、ちゃんと並べ。子供じゃないんだから割り込みとかすんなよな。」

「いててててててててて! だから痛ぇって! いや、お願いします。離してください!」

「お前らも、さっさと後ろに行くぞ。」

「いててててててて、腕が、腕が砕けるぅ〜!」


割り込みしていた他の奴の腕も掴んで最後尾に物理的に引っ張っていく。


「騒動起こして減点されるとか考えないのかよ。大体、こうして怒られてる時点で余計な労力に時間を使ってどうするよ?」

「俺達が悪かった! だから離してください!」


最後尾まで連れていってから解放する。


「ふぅ〜、ふぅ〜、く、砕けるかと思った……」

「痕がやばい事になってる……」

「もうすんなよ。」


まあ、次はいつやるのか分からないんだけど。

そして再び列の整理に戻るとレミナさん達が再度話しかけてきた。


「やっぱりレントさんは凄いですね! あいつら、普段から素行が悪い事で有名なんですよ。」

「そうなのか? まあ、そうは言ってもEランク級だし。」

「それでもですよ! はぁ〜、セフィアさん達が羨ましいなぁ〜。」

「だから俺で我慢しとけば?」

「「あんたは黙ってて。」」

「まあ、頑張れ。」


またも男の方がアプローチをかけるがバッサリとやられた。

俺には応援するしか出来ないな。


それからもやって来る冒険者を整列させているとあっという間に1時になってしまった。

そこまでいって漸く俺も食うことができるようになれた。


あ、美味しい。

流石セフィアとリリン。

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