第三百八十八話 そこにいた。的なお話
〜セフィア視点(蓮斗と別れてから)〜
レントと別れて僕達は依頼をする事になった。
レント、大丈夫かな……?
「セフィア?」
「えっ、なに? どうしたの、リリン?」
「ぼーっとしてた。」
「あ、ごめん。レントのこと考えてたらちょっと心配になって。」
「分かるけど、しっかりして。」
「うん。そうだね。」
「あの、ここに身内がいるんですけど。」
「「あ。」」
「ご、ごめんね、シアちゃん。」
「ごめん。」
「まあ、いいんだけどね。あれには私もびっくりしたから。あそこまで奔放だとは……」
「あははは……」
普段はそうでもなかったようだけど、お姉さんぶってたのかな?
まあ、それは置いといて。
依頼の方だよね。
って、あ!
そういえば、食材も食器も全部レントが持っている。
どうしよう?
「ねぇ。ユキノちゃんかユウキちゃんは食器とか持ってる? 全員分。」
「へ、あ! そっか。いつも風見が持ってるんだった。」
「すまない。3人分しか持っていない。」
「うーん。レントの邪魔するのも良くないしどこかで買っていく?」
「まあ、そうなるか。」
というわけで露店でお昼ご飯を買ってから依頼を達成するために街の外に向かう。
ターゲットは前のイービルサーペントとこの前たくさん倒したアサシンスネークだ。
アサシンスネークなら簡単に見つけられると思うし時間が余ったら他の魔物を倒すのもありだよね。
それも、依頼の魔物を全部終わらせてからだけど。
そんなことを考えながらアサシンスネークを探しているとシアちゃんが見つけて一撃で倒していた。
僕も頑張らないと。
そうして木の上のアサシンスネークをみんなで倒していると、途中からリリンの気配察知に引っかかるようになった。
それからは本当に楽に見つかるからあっという間に依頼の10匹を倒す事に成功する。
でもたくさんいるみたいで素材はそれなりに高く売れるという事で見つかる側から倒していく。
こういう時に遠距離攻撃があると楽だよね。
居場所がわかるからそこ目掛けて攻撃すればいいんだから。
それをしながら巣穴や洞窟を探しているけど、なかなか見つからずにお昼の時間になってしまった。
仕方ないのでどこか拓けたところはないかな? とおもって探していると、そこにいた。
目的の魔物。
イービルサーペントが。
すぐに離れて作戦会議をする。
リリンの気配察知にも引っかかっていたようだけど、どんな魔物かわからなかったらしい。
だからここで見つかったのはラッキーと言っていいと思う。
だって今見つかっていなかったら多分気づく事なく通り過ぎていたから。
「それで、どうしよっか?」
「セフィアが足止め。」
「分かった。毒を使ってくるかもだからやっぱり魔法の方がいいよね?」
「ん。」
「納品依頼だからあまり傷つけない方がいいからシアちゃんが風で首を落として。」
「分かったわ。」
「リリンはうまく倒せなかった時に備えて控えてて。」
「ん。」
「それじゃ、早速行動開始。」
まずは僕の魔法で拘束する。
「土よ、腕となって敵を戒めよ。グラップルロック!」
この魔法はサンドバインドの発展技で複数の土の腕が敵を捕まえるというもの。
この魔法を受けたイービルサーペントは僕達のことに気づくけど、既に手遅れだよ。
シアちゃんの風魔法によってイービルサーペントの頭が胴体と離れる。
ふぅ。
これで依頼完了かな。
後はお昼を食べて帰るだけかな?
それとも魔物を倒すのかな?
ご飯を食べながらみんなに聞いてみよ。




