第三百二十九話 リリン無双再び的なお話
学校から帰る時に見た月が綺麗でした。
皆さんは見ましたか?
偶に見てみるのもいいもんでした。
夕食を終えて、再び夜営をする。
今回はシアとルナの強い要望により、最初に俺、シア、ルナ、次にセフィア、リリン、ルリエ、最後にレイダさん、アカネ、蒼井という順番になった。
まだ少し不安だからなんて言われたら断りようがない。
でも少し心配だ。
なんせ、感知系のスキル持ちが居ないのだから。
あ、俺の悪意感知は人限定だからカウントしてないよ。
迷賊なら分かるけど、でもこんな階段前にいるやつを襲おうとは思わないだろう。
というわけでノーカン。
そうして夜の番をしていたが、幸いな事に魔物も迷賊も出現する事なく交代の時間となった。
ほっ。
「それじゃ、セフィア、リリン、ルリエ、後よろしく。」
「うん。」
「ん。」
「はい。」
3人と交代して俺は寝る為に自分のテントに…………
「あの、何故腕を掴むんですか? 俺のテントはあっちなんだけど……」
「ま、また悪夢とか見るかもしれないから、だ、だから一緒に居てよ。」
「いやいや、それは流石にまずいでしょ!」
「前にも一緒に寝た事あるでしょ。」
「は? そんな事は一度も…………………あったな。」
「でしょ。だから別にこれくらいいいでしょ?」
「いや、でも前とは状況が違うだろ! セフィア達もなんか言ってくれよ。」
「え? あ、うん。別にいいんじゃないかな?」
「問題ない。」
「お2人なら別に気にしませんよ。」
「ちょっとー!」
まさかの裏切りだった。
…………いや、3人にとってはこれが普通か。
どうやら俺には味方がいないようだ。
そして俺はそのまま2人に連れられて一緒に寝る事に。
こんなの、寝れるわけないだろ!
◇
結論から言おう。
普通に寝れました。
緊張して寝れないと思っていたのに、普通にぐっすり寝れたよ。
起きた時に目の前にシアの寝顔があるのにはびっくりしたけど、本当に普通に寝れてしまった。
男として、これは普通なんだろうか……
きっと、普段から美少女な嫁と寝てるから耐性があるんだろう。
うん、そうに違いない。
「よし。今日も1日がんばるぞ。」
男として少し悩まされたが、ここはダンジョンの中だ。
そういうのは帰ってからでも出来るし、むしろ余計な事を考えて隙を作る方が問題だ。
だから俺は顔を叩いて気合いを入れる。
気合いを入れた俺はみんなと一緒に再びダンジョンを進んでいくのだが………やはりというかなんというか。
高性能嫁のリリンが魔物を察知するたんびにシュパッ! とドンッ! て感じに次々と魔物を倒しては魔石を俺に渡してくるものだから気合いを入れた意味が全くなかった。
しかも俺達は現在上を目指して進んでいる。
つまりは魔物もどんどん弱くなっていくという事だ。
七階層、では複数で出てきたりもしたオークだが今となってはたまに単品で出てくるくらいだ。
もちろんそれはシアとルナが倒してるが、だいぶ良くなっているのか俺が手を貸さなくても良くなっている。
本当にする事がない。
今の俺って、ダ◯まちのサポーターさんみたいじゃね?
その後もリリン無双は続き、昼食を食べ、五階層に行っても、四階層に行っても続き、三階層前で野営をする事になるまで続いたのだった。
俺、今日本当に何もしてないよ。
今日も1日がんばるぞい。って書きそうになってしまった。
青っちが可愛いんだもの。