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微ユニークから始まる異世界生活  作者: 椎茸大使
【第四章】 挨拶。それと…
340/1489

番外編 クリスマスパーティー

4,500文字。

普段の約3倍とかなり量が増えて今日になってしまいましたが、宣言通りクリスマス話です。

セフィアがある日クリスマスパーティーをしようと言ってきた。


「クリスマスパーティー?」

「そう。みんなでやらない?」

「みんなって?」

「僕達とシアちゃん達。」

「あれ? クルト達は?」

「いや、うん。だってあのゴツい人がいるとその〜」

「あぁ。確かに、ね。」


あの人、ゴドウィンさんが来るとなると〜、その、楽しめなさそう。

威圧感ハンパないし。

それに彼女欲しくてナンパばかりしてるクルトと一緒と言うのはシア達も気が気ではないか。

というわけで除外しよう。


「ま、あいつらはいいか。で、何をやる?」

「やっぱり定番のプレゼント交換は外せないよね!」

「蒼井!? 急に来るなよ。びっくりするだろ。」

「えー。でも、クリスマスパーティーするんだよね。だったらやっぱりプレゼント交換したいよ。」

「無視か!」

「プレゼント交換? それって何をするの?」

「え? 知らないの? プレゼント交換っていうのはね、各自でプレゼントを用意して歌に合わせて廻して、誰のが当たるかって楽しむの。」

「いや、歌って言うけどどうするつもりだよ。ラジカセとかないぞ。」

「えー、口でいいじゃん。」

「では、私が用意しましょう。」

「お願いしま…………って、なんでアリシアさんがいるんですか!?」

「私もクリスマスパーティーをしたいなと思って誘いに来たら既にその話をしていたので便乗させていただきました。」

「そ、そうですか。それで、用意するってラジカセですか? 流石にそれはまずいんじゃ……」

「大丈夫ですよ。魔道具で用意しますから。それと、私とレイカーの設定は蓮斗さんの知り合いの貴族とその秘書で魔道具作りが趣味というものでお願いします。」

「あ、はい。」


まあ、神様ですって紹介するわけにもいかないしね。

その後はどんな催し物をやるのか、料理はどうするのか、場所はどこか、何時からかとかをみんなで協議して決める。


今日は20日なので、時間に余裕はあるが油断は禁物。

なので、今から準備開始。

セフィア達は料理の試作に取り掛かり、蒼井は飾り付けのあの紙を輪っかにして繋げる奴を作り、俺は招待状の作成をする。


「じゃあ、俺はこれをシア達に届けてくるね。」

「お願いね〜。」


と言ってもどこに住んでるのかは聞いていないのでギルドで張りこむ。

あ、あんぱんと牛乳用意すればよかったかな。


「あの、レントさん? さっきからずっと扉を眺めてますけど、大丈夫ですか?」

「え? あ、セラさん。」


ギルドの中にシア達の姿がなかったから入り口の方を睨んでたら声かけられた。

というか、頭の心配をされた。


「その、シア達に用があって、でもどこに住んでるとかは知らないのでこうして待っているしかなくて。」

「そうですか。もしよければ、私の方から伝えますけどどうします?」

「じゃあ、お願いします。これを二人に渡して下さい。」

「分かりました。………ところで、私の分はないのですか?」

「えぇっ!? いや、だってセラさん美人だから恋人と予定があると思ってたんですけど。」

「はっ! 恋人? そんなのいるわけないじゃないですか。大体ほとんど毎日ギルドにいるのに出会いなんてあるわけないし、かといって冒険者をといっても大半はむさ苦しいし、ゴツいし、かっこいいわけじゃないし、気配りできないし、自分本位だし。そんなの、好きになる要素なんてあるわけないじゃないですか。」

「あの〜、セラさん? キャラ変わってません?」

「あ……す、すみません。つい。」

「えと、それじゃあ、来ますか?」

「是非行かせてもらいます。」


目が荒んでて怖かったです。

だからそれに怯んで誘った俺を責めるのは勘弁してもらいたい。

ストレージから紙とペンを取り出してシア達に向けて書いたのと同じ内容を書き写す。

うん。

不備はないな。

書き損じがないかを確認してからセラさんに渡す。

時間が違ってたりしたら大問題だからね。


「ありがとうございます。他の子も連れて行っていいでしょうか?」

「え? えーと、あまりスペースもないので一人か二人くらいなら……」

「分かりました。ありがとうございます。」


更に増えるそうです。


用事も済んだので俺はプレゼント交換用のプレゼントを買う。

マフラーでいいかな。

定番だし。

それとは別に嫁達にプレゼントする分も用意する。

ついでにモミの木っぽいのとオーナメントを買い込んでから帰った。


次の日。

俺はプレゼントを買ったし、準備もほとんど終わってるという事で手持ち無沙汰になったので、依頼を受けた。

スノウファウル、雪鶏の納品だ。

多めに狩ってクリパで使ってもらおう。

クリスマスにチキンは必須だよね。


「おお〜。鶏が空を飛んでる。スゲー………はずなんだけど、なんだろう? なんか、既視感がある。いや、気のせいだ。だってあんなの見たら普通は忘れないし。」


鶏自体は弱くてあっさりと倒せた。

ただ、弱いせいで調子に乗りすぎて狩りすぎてしまったよ。

他の人達、そのせいで依頼失敗しちゃったらごめん。


そして12月24日、クリスマスパーティー当日。

場所は紅い帽子亭の大人数用の部屋にて。


「ねぇ。ちょっとこれ、どういう事なの?」

「いやぁ〜、あははは。」

「あはははじゃないでしょ! なんで一冒険者が行うクリスマスパーティーにギルドマスターが来てるのよ!」


シアが魂の叫び(小声)を上げる。


「いや、俺もセラさんに他の子も連れてきていいかとしか聞かれたからいいですよって答えただけなんだけど。」

「だからって限度ってもんがあるでしょ。」

「まあ、ダメな理由もないし、それにギルマスさんは結構普通の人だよ。よく食べるけど。」

「なんでそんな事知ってるのよ?」

「だって前に家に来た事あるし。」

「それが原因でしょうが!」

「あいた!」


はたかれた。

でも、神様に比べたらギルマスなんてかわいいもんでしょ。


「くすくす。随分と仲がいいのですね。これ、お土産です。」


やって来たアリシアさんは笑いつつ隣にいるレイカーさんにお土産を渡すように指示する。

そうして出されたそれはなんとも大きな樽だった。

え、何これ?


「私特製のジュースです。もちろんアルコールはないので安心してくださいね。」


ひょっとして、いつぞやの初飲み会の事を言ってるのかな?

あの時はこの人いなかったはずなのに、やっぱり神様ってなんでもありなんだね。


「えと、それじゃあみんな集まった事だし、そろそろ始めようか。みんな、グラスは持った?」


全員がグラスを持った事を確認して。


「それじゃ、かんぱーい!」

「「「「かんぱーい!」」」」


最初の一時間は食事や飲み物、おしゃべりを楽しむ時間としている。

いきなり余興じゃ折角の料理が台無しだからね。

そして食べるのだけれど、やはりというか、なんというか、ギルマスさんがものっ凄くたくさん食べている。

ギルマスさんが最初に来たおかげで追加で料理を作っといて良かったよ。

じゃないと、セフィア達が全然食べれなくなってただろうから。


そして一時間が経過。

挙手制による一発芸大会。

トップバッターはセフィアとリリン。

俺のモノマネをしてた。

超恥ずい。

二番手俺。

いっ◯く堂がテレビで言ってた入門編を実践しての腹話術。

そこそこウケた。

その場の勢いに任せたシアとルナは似顔絵。

エルナの絵が凄くうまく、逆にシアの絵が、その、画伯系だった。

ルナの絵の上手さとシアの絵の面白さで会場は大盛り上がり。

セラさんとギルマスは猛獣使いと猛獣役。

それでいいのか、ギルマス。

蒼井は魔法銃を用いた射的。

的を最初の一発で打ち上げ、打ち上がった的に次々と弾丸を当てていった。

凄いな。


次は異世界版人生ゲ………げふん。

双六。

流石にこの人数だと時間がかかりすぎるという事でチーム戦に。

俺とセフィア、リリンとルリエ、アカネと蒼井とレイダさん、シアとルナ、セラさんとギルマス、アリシアさんとレイカーさんで分かれて勝負。


「やった。大商会に就職したわ。」


「うわっ。冒険者かよ〜。」


「はぁっ!? 右隣の人に1万リム渡すー!?」


「家が……燃えてる。」

「いや、実際には燃えてないからね。」


「ギャンブルで一等。15万リムげっと。」


「歯が痛い。2000リム払い一回休み!?」

「レイカ〜?」

「す、すみません、アリシア様!」


いろいろなイベントがあり、最終的に優勝したのはリリンとルリエのチームだった。

ちなみに順位はこうなった。


1位、リリンとルリエ。

2位、アリシアさんとレイカーさん。

3位、アカネと蒼井とレイダさん。

4位、俺とセフィア。

5位、シアとルナ。

6位、セラさんとギルマス。


神様に勝つとかリリンの引き凄すぎ。


次にプレゼント交換。

ラジカセ擬きの魔道具は予定通りアリシアさんが趣味で作った事になっている。

一点物な上に試作品なので一回使ったら壊れるという事にして再利用出来ないようにしている。

録音できる魔道具はまだ無いからね。

ただ………なんで赤鼻のトナカイなんですか!?

こっちに無い歌はやめていただきたい!

しかも歌ってるのってレイカーさんだよね?

現在進行形でめっちゃ恥ずかしそうにしてんだけど!?


バキン


魔道具が壊れるのを合図にプレゼント交換が終了する。


「俺のは………手作りのぬいぐるみだ。」

「僕のは指輪?」

「本。」

「私のはセーター? それにしても、凄くいい手触り。」


と、それぞに何が当たったのかを確認している。


「これ誰の? マフラーが入ってたんだけど。」

「あ、それ俺の。」

「そ、そう。レントなんだ。………ふふふ。」


どうやら俺のはシアに当たったようだ。

それにしても、あんなに嬉しそうにしてくれると嬉しいものだな。


最後はクリスマスケーキ。

このケーキはアリシアさんが用意した物。

定番のショートケーキのホールとブッシュドノエルだ。

ショートケーキはともかくブッシュドノエルは初見のようでその見た目のお陰でかなり人気。

それにしても、このショートケーキは美味しいなぁ。


争奪戦が終わりみんながケーキを食べ終わったところでお開きとなる。

あんなに騒がしかったからみんなが帰ると随分と寂しく感じてしまうな。

ふぅ。

さて、そんじゃさっさと片付けて帰って寝るか。



翌朝。

いつもより早く起きた俺はセフィア達の枕元に3人お揃いのペンダントを置こうとして驚く。


「考える事は一緒か。」


俺の枕元には3人が用意したプレゼントとメッセージカード。

そこには「メリークリスマス。大好きだよ、レント。 セフィア、リリン、ルリエ」と書いてあった。

フッ。

俺も驚かされたし、3人にも驚いてもらおうかな。




ちなみに、部屋の机にはアリシアさんから贈られたプレゼントが置いてあった。

いつの間に、と思うが、うん。

嬉しいものだな。

今日の話で疲れてしまったので、本編は明日からになります。

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