第二百六十六話 お土産です的なお話
「……きて。……ト、……だよ、起き……」
「むぅ、うぅ〜ん。」
「ほら、起きてレント。朝だよ。」
「うぅ〜ん。セフィア? おはよう。」
「おはよう、レント。」
セフィアに起こされるなんて久しぶりだな。
えーと今は……8時16分か。
結構寝てしまったようだな。
まあ、別に学校があるわけでもないし仕事に行こうと約束してたわけでもないからゆっくり寝ててもいいんだけどさ。
………学校か。
文化祭とか、体育祭とかやりたかったな。
今の生活も楽しいから別にいいんだけどね。
さて、朝ごはんの準備をするか。
準備を終わらせ朝食を済ませる。
「今日はリィナさん達とシア達、そしてセラさんにお土産を渡そうと思うんだけど、みんなはどうする?」
「僕も一緒に行くよ。帰りに食材を補充しときたいし。」
「私も行く。」
「私は洗濯物が沢山ありますから家に残ってます。」
「では、私もそのお手伝いをさせていただきますね。」
「私はここでゆっくりしたいかな。」
「私は昼寝する!」
堂々と宣言することかな? 昼寝って。
全く蒼井の奴は………自由すぎるだろ。
その点レイダさんは流石だ。
洗濯物を干したいという働き者なルリエを手伝いたいという勤勉さ。
見習ってほしいよ。
アカネもゆっくりするとは言ってるが……休みの日なのだろう、多分。
「先ずはギルドに行こうか。そこならセラさんが居るしひょっとしたらリィナさん達やシア達がいるかも知れないしね。」
「うん。」
「ん。」
そしてギルドに行くと案の定セラさんはいた。
いつも通り受付カウンターに座って冒険者の相手をしている。
リィナさん達黄昏さんやシア達はいない。
仕事に行っているのかな?
他の人達を探しているうちにセラさんが相手をしている冒険者の用が終わったようだ。
セラさんにお土産を渡すついでに黄昏さん達とシア達の様子でも聞くか。
「こんにちは、セラさん。」
「レントさん。お久しぶりです。帰ってきたんですね。」
なんか心なしか声が弾んでいる。
少し嬉しいな。
「ええ。昨日帰ってきました。それで、セラさんにお土産を買ってきたんで。今出しますんで……はい、どうぞ。」
「これは、ありがとうございます。開けてもいいですか?」
「どうぞ。お気に召すといいんですが。」
「綺麗な色のストールですね。」
「似合うと思いまして。」
「ありがとうございます。大切にしますね。」
「はい。あ、それと黄昏さん達とシア達は今どうしてますか?」
「ちょっと待ってくださいね。えーと、確かここに……ありました。えっと、先ず黄昏の獅子ですが、彼らは今護衛依頼で領都まで行っていますね。帰ってくるのは一週間後になります。そしてアレクシア、エルナの二人は迷宮都市に行っていて皆様に伝言を預かっています。」
「伝言?」
「はい。こほん。「私達は迷宮都市に修行に行ってきます。私達が帰ってきたらハードジャイアントにリベンジしに行きましょう。」だそうです。」
「そうですか。折角お土産を買ってきたんですけど、こればっかりは仕方ないですね。」
「そうですね。それで皆さんはどうしますか? 何か依頼でも受けていきますか?」
「お土産を渡すだけのつもりでしたから、今日は帰ります。」
「そうですか。それではまた今度ですね。」
「そうですね。また今度、よろしくお願いします。」
セラさんにお土産を渡せたのは良かったんだけど黄昏さんとシア達には渡せなかったな。
黄昏さんの方は帰ってくるけどシア達はいつになることやら。
この後、セフィアとリリンと一緒にお買い物をしてから家に帰った。