第二十一話 婚約とこんにゃく的なお話
「それではそろそろお暇しましょうかね。あ、そういえば蓮斗さん。もう指輪はお渡ししました?もしも結婚するなら私が祝福しますよ。これでも女神ですから。」
なんて、爆弾落としつつアリシアさんはふんぞりかえる。
どんだけマイペースなんですか!?
別れ際にそんな事言うか、普通。
「けけけけ、結婚!?そんな僕たちまだ、そんな。そりゃ〜確かにいつかは結婚をしたいしレントなら……でも、まだ早いよ〜。あ、呼び方とか変えた方がいいかな?あ、あ、あ、あなた…とか。きゃーー、でも、いいかも。……えへへ。それでレントがただいまって。……」
やばい。
なんかセフィアの頭の中がお花畑になってる。
「結婚なんてまだ早い。」
おお、リリンは大丈夫なようだ。そうだよ。
そりゃー責任取らなきゃとかおもうよ。
後、一応避妊したぞ。そういう薬あるし。
何故か宿に置いてあったし。
じゃなくて、まだFランクだし経済的にも問題があるし、もう少し時間を……
「まだ子供の名前を決めてない。それに新居も。」
ってリリンも全然大丈夫じゃなかった!!
しかもアリシアさんは親指立ててお膳立てはしましたよ。
みたいな顔してるし。
「ストップストーップ。二人とももちつい…じゃなかった落ち着いて。経済的にも問題があるし、まだ会ってからあんま経ってないし、だから暫く結婚は待って。」
「ん、分かった。じゃあ、婚約者として指輪頂戴。」
「えっと、普通に恋人じゃ駄目かな?」
「駄目。婚約者がいい。それがいやなら結婚して。」
リリンがやけに積極的だ。
仲間として渡して、ある程度ランクを上げてから宝石付きのに加工してもらってから告白しようと思ってたんだけどな〜。
それが三段飛ばしくらいで一気に婚約者だもんな。
まあ、手放すつもりはないから別にいいんだけど。
「プロポーズしようと思って買ったわけじゃないから、ちょっとアレな気もするが。」
そう言ってリリンに水色の方の片割れを渡す。そして指輪の機能とその機能を使えば簡単な連絡が出来るのではと考えたことを伝える。
「ん、ありがと。大事にする。」
「お、おう。後、結婚指輪はもっとちゃんとしたの用意するから。」
「期待してる。」
リリンが笑顔でそう言った。
この顔が見れただけでも指輪を買って良かったと思えた。
「子供はどっちかな〜?男の子だとレントに似てカッコ良くなるだろうし。でも、女の子に可愛い服着せたいんだよな〜。それでレントと子連れデートもして……。」
「「「…………。」」」
セフィアが未だにお花畑に居るんだけど。
どうしようか?と考えているとリリンがセフィアに近づいていき綺麗な手を掲げ脳天へと手刀を打ち込んだ。
「あいたっ?!」
「目、覚めた?」
「あれ、白いお家は?それにセフィトにレンフィアは?」
お花畑には白い大きなお家と息子と娘が居たみたいです。
そこまで妄想出来るほど好かれてると思うとなんかむず痒いです。
顔も熱いし。
「セフィア落ち着いて。」
「あれ、リリン。リント君は?」
「////」
どうやらリリンとの子供も居たみたいです。
そして赤面しているリリンが可愛いです。
と、そこへアリシアさんが近づいて二人の肩に手を置き目をつむる。
「えっと…」
「アリシア?」
そうして暫くしていた後、目を開き、口を開きこう発言する。
「結婚はまだということみたいなので、取り敢えずお二人にはお呪いを掛けておきました。内容はレントさん以外の男性がお二人に不埒なことをしようとするとアレが爆ぜて背骨がこんにゃくのように柔らかくなるというものです。」
「ありがとうございます!それってつまり僕たちはレントだけのお嫁さんってことですよね。」
「人生で一番感謝してる。」
怖っ!それってまじないというより呪いじゃね。
いや、まあ、字は一緒だけど。
あ、でも二人がそういう目に遭わないと考えればお呪いか。
とりあえずありがたがっとこう。俺寝取られ属性ないし。
と、そこへ大きな声が響く。