第百九十三話 乗ってみて的なお話
風邪です。
朝、熱を計ったら38.0度で、お腹の調子も悪かったです。
でも、精神的には元気です。
だから書いたんですけど、もし物足りなく感じたらそれは風邪のせいという事で。
「そう言えば、あの魔法はいつの間に覚えたんだ?」
試験依頼の見張りも終わってギルドに報告しに戻りながらリリンに聞いてみた。
「試験の時に。結構便利。」
「便利って、どんな時に?」
「先行させて魔物を先に倒せるし、乗れる。」
「乗れる?」
首をコテンと傾けるセフィアがかわいい。
「今出す。水よ、疾き狩人となりて、我が前に姿を現せ。水狼咬牙。」
水が集まって狼の姿になった。
「乗ってみて。」
「う、うん。分かった。」
リリンに促されてセフィアが恐る恐るといった感じで跨った。
それにしてもどうして水の上に乗れるんだろう?
まあ、アレだな。
魔法ってすごいって事だな。
「レントも。」
「俺も? というか既にセフィアが乗ってるんだが。」
「大丈夫。乗れる。」
確かにこの水の狼は結構な大きさだしスペース自体は結構余っているんだが、人二人を乗せるとなると耐久力とかすごい気になる。
だが、リリンが乗れるって言ってるからきっと大丈夫なんだろう。
そう信じてセフィアの後ろに乗った。
「おお。なんか、すごいな。ひんやりしてるけど濡れる事は無いし、柔らかいから疲れなさそうだ。」
それにセフィアとの密着感がまたいいな。
「じゃ、これで帰るよ。」
リリンがそう言ってセフィアの前に乗るとすぐに走り出した。
結構速いな。
それに揺れる。
揺れ………………る。 おえっ。
「り、りりん。と、止まってくれ。よ、酔った。」
馬車とかは大丈夫だったけど、生き物の上に乗るのは初めてな為に三半規管が根を上げたようだ。
「安心して。もう着いたから。」
かなりの速さだった為にもう着いたようだ。
でも、この分だと馬でも酔いそうだな。
ドラゴンに乗るのとかロマンがあってやってみたかったんだけど、無理そうだな。
「レント、大丈夫?」
「だ、大丈夫。でも、ちょっと休ませて。」
「じゃあ、ここで少し休んで行こうか。」
「すまないな。」
「気にしなくていい。」
「リリンの言う通りだよ。だって僕達は夫婦じゃない。」
「ん。」
「ありがとう。」
「「どういたしまして。」」
セフィアとリリンが顔を見合わせてからとびっきりの笑顔でそう言った。
◇
しばらく休んである程度回復した後、ギルドに向かって報告と報酬の受け取りを行った。
本来の一万に加えてコボルトロードの十五万を加えた十六万が支払われた。
そして素材の買い取りなんだが、こっちの方は先に帰っていた鋭き刃の連中と話し合う。
その結果、コボルトロードは俺達の全取り。
コボルト分は7:3で俺達が7という事になった。
その理由としては俺達が居なかったら全滅、もしくは全員大怪我を負っていたからとの事で、その分を加味して7という事だ。
今日一日で三十万以上稼げたな。
普通といえば普通なんだけど、色々あったせいかいつも以上に疲れたな。
帰ったら嫁達とイチャイチャして癒されよう。
家に帰って夕食を食べたり風呂に入った後、決意した通りイチャイチャしました。