第百八十六話 異人さん的なお話
デートと言えばショッピング。
というわけで街を散策だ。
これまでのデートでは結構安価な所を見てきたけど、最近は結構稼げているし少しばかり高い所を巡ろう。
まずは金物屋さん。
え?
デートで行く店じゃないって?
本人がデートだと思えばデートなんです。
それにここはセフィアのリクエストで、今回のお目当は包丁とフライパンだそうだ。
最近うちの人数が増えてきたから大きめのフライパンが欲しいそうだ。
包丁ももう少し切れ味のいいのが欲しいと言われれば買うしかないでしょう。
次はリリンのリクエストである本屋さん。
俺もこっちの物語とか興味あったし、丁度良かった。
ん?
こ、これは、伝説(?)のDJ誌(一般)。
あー、なんで、こんな、物が?
「すみませーん。この本なんですけど……」
「それですか。実はそれ、私が描いたんですよ。昔読んだ作品を基に描いてみたんですよ。」
二次創作だと。
それにこれは何処となくポケットな感じのモンスターに似てる気がする。
でもこの人、金髪で異人顏でどう見ても日本人には見えない。
多分気のせいだよね。
でも一応。
「ポケ○ン……」
「ゲットだぜー!」
「本物だーー!」
まじかよ。
こんな見た目なのに転移って、いや、転生か?
「あなたひょっとして日本人なんですか?」
「そうだけど、そういうあんたは転生者か?」
「いーえ。私はアメリカ生まれアメリカ育ちの生粋のアメリカ人ですよ。ジャパニメーションが子供の頃から大好きで良く絵とか描いてたんですよ。」
「そ、そうですか。まさか日本人以外で転移する人がいるなんて。」
「そうですね。ラノベとかだと基本的に日本人ですからね。まあ、あれは日本人が書いているからそうなるのも仕方ないですが。」
「なんか、すごい違和感が有りますね。アメリカの人と普通に話してるなんて。こっちは日本語の感覚だから尚の事。」
「私も英語の感覚なんですが、確かにそうですね。あ、申し遅れました。私はマイク・グローブと言います。」
「あ、俺は風見蓮斗です。」
「レントー。そろそろお会計したいんだけど。」
「あ、うん。分かった。じゃあ、お会計お願いします。」
「分かりました。それで、それはどうしますか?」
「あー、うん。一応買います。」
目の前で買いませんとは流石に言えなかった。
そういうのはアキバ戦士にお任せだ。
「合計で四万二千五百リムになりますけど、大丈夫ですか?」
「大丈夫です。はい。四万二千五百リムです。」
「確かに。お買い上げありがとうございました。」
◇
「さっきの本屋さんで随分と驚いていたけど、あの人がどうしたの?」
今はルリエご要望の喫茶店でお茶をしている。
そして、さっきの言葉はセフィアが言ったものだ。
「あー、うん。あの人も俺の世界の人だったみたいでな。でも、外国の人だったからちょっと驚いてね。」
「そんなに驚くこと?」
「創作なんかだと俺の国の人ばかりだったからな。それに実際に会ったのも全員そうだったし。」
「アカネさんやユウキさんですね。」
「後、ヨウジさんもそうだよね。」
「そうだな。だからつい驚いちゃって。」
「そうなんですか〜。」
その後は依頼に行った時のことを聞きたいとルリエにせがまれてセフィア達と一緒に起きたことや、見た事なんかを話した。
そうこうしている内にお昼の時間になったのでこのままこの店でランチを食べて、その後もギルドでの打ち合わせ時間である三時の少し前まで話していた。
こういう時間はやっぱり和むな〜。
そして、次は打ち合わせだ。
ルリエにはヘビィコングとかの買取金を受け取って貰って少し離れててもらおう。
ちょっと驚く顔が見たいし。
転移者が日本人ばかりなんで異人さんも出したくて出したけど、今後も出るかな? なんかインパクトないし。